どれぐらいお金をもっていれば「富裕層」と言えるのか
どれぐらいお金があれば「富裕層」なのか
市場動向の調査レポートなどを見ていると、「富裕層(ふゆうそう)」という言葉が良く出てきます。
「お金持ち」を意味する言葉なのだということは分かりますが、いったい、どれぐらいお金を持っていれば「富裕層」になるのでしょうか。
「富裕層」には、公的な定義はないので、調査する会社によって基準が異なります。
国内では、野村総研が、2000年から継続的に富裕層の調査を行なっているので、その定義を紹介しましょう。
野村総研の「富裕層」の定義
野村総研のレポートでは、「純金融資産保有額」で階層を定義しています。
「純金融資産保有額」は、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から、負債を差し引いた金額です。
つまり、簡単に現金化できる財産と思えば良いでしょう。
土地や建物などの不動産は含んでいません。
定義は5段階です。後ろの金額が「純金融資産保有額」です。
- 超富裕層 5億円以上
- 富裕層 1億円以上5億円未満
- 準富裕層 5千万円以上1億円未満
- アッパーマス層 3千万円以上5千万円未満
- マス層 3千万円未満
つまり、すぐにお金にできる財産が5千万円あれば、お金持ちの入り口で、1億円あればお金持ち、5億円以上あれば、すごいお金持ちと思えば良いでしょう。
これから「富裕層」という文字を見たら、「必要であれば1億円を用意できる人」と考えれば良いでしょう。
「富裕層」は数%しかいない
「富裕層」は、世の中にどれぐらいいるのでしょうか。
野村総研では、各階層の世帯数を基にして、ピラミッド型で表しています。
これを見ると、「超富裕層」は数万人、「富裕層」は100万人強、「準富裕層」は300万人ぐらいというところです。
日本全国の世帯数は、約5千万世帯ですから、「超富裕層」と「富裕層」なら全体の2%ぐらいが「お金持ち」の割合です。「準富裕層」まで入れても8%ぐらいですから、あまり多くはありません。
「富裕層」は増えている
「富裕層」は増えているのでしょうか、減っているのでしょうか。
2000年からの統計を見ると、富裕層は増えています。
それぞれの階層で、1.2~1.5倍ぐらいに増えています。
なお、それぞれの階層が保有する財産も、同じぐらいの割合で増えています。
世間には、いろいろなお金持ちがいる
富裕層について、ここまで見てきたことをまとめてみましょう。
- 金融資産が1億円以上ある
- 世帯数は130万世帯ぐらいで、全体の2%未満
- 2000年以降は増え続けている
あと、知りたいのは富裕層になるための方法ですが、これは自分で探すべきことでしょう。
なお、この記事で紹介した野村総研の富裕層の定義は、富裕層を対象にした投資商品の販売などに活かすための定義ですから、万能ではありません。
例えば、評価基準に不動産は含まれていないので、財産の多くを不動産が占める地主などは入っていません。
また、ブランドや利権、名誉など、お金に換算できないが、お金を生み出すことができる仕組みも含まれていません。
お金持ちを定義しているのは「お金」ですが、それ以外にも、世の中には、いろいろな種類のお金持ちが潜んでいることを忘れないようにしましょう。
【追記】この記事は2021年4月24日にデータを更新しました。