「投資信託」で利益が出ている人は「65%」。トップの会社なら「98%」
投資で儲かっている人の割合は
「将来の生活を支える資産を作るためには、投資が必要です」というのは、よく聞くキャッチフレーズです。
そして、現在のように金利が低い状況では、投資信託など、ある程度リスクのある投資をしないと、お金を増やしにくいのも現実です。
では、投資をした人のうち、何パーセントぐらいが、実際に儲かっているのでしょうか。
金融庁が公開した資料をもとに紹介します。
「投資信託」で儲かっている人は「65%」
ここで紹介する投資は、「投資信託」です。
投資信託は、「預かったお金を元本にして、運用の専門家が株式や債券などに投資や運用する商品」です。
ある程度の手数料を払うことで、預けたお金が増えることを期待するわけです。
しかし、金融庁の資料によれば、226の金融機関で「投資信託」を買った人のうち、儲かっている人は「65%」でした。
残りの「35%」の人は、預けたお金が減ってしまったわけです。
業態によって儲かる割合が違う!?
「投資信託」はいろいろな金融機関が扱っています。
どこで買うと儲かりやすく、どこで買うと損をしやすいということはあるのでしょうか。
利益を出している人の割合を見ると、投資信託を専門に扱う「投信会社」で買った人が儲かりやすく、「対面証券」つまり、昔ながらの対面販売や電話販売が中心の証券会社で買った人が損をしやすくなっています。
業態よりも会社同士の差が大きい
しかし、データをよく見ると、金融機関の種類による差よりも、個々の会社による差が大きいことが分かります。
例えば、投資信託を専門に売っている「投信会社」では、トップの企業は顧客の98%に利益をもたらしています。
つまり、損をしている人は2%しかいません。
しかし、226社の中には、儲かっているお客さんが22%しかいないという会社もあります。その会社で投資信託を買った人の80%近くは損をしているわけです。
つまり、どこで買うかと迷ったときは、銀行にしようか証券会社にしようかという業態で迷うのではなく、その会社が顧客に「儲かりやすい」せめて「損をしにくい」投資信託を勧める力がある会社なのかということに注目すべきでしょう。
90%以上の顧客に利益をもたらしている会社
今回の、金融庁の調査の対象になっている金融機関は「226社」でした。
このうち、「利益を出している顧客の比率」が90%を超えているのは7社だけです。
社名を見てみましょう。
- セゾン投信 98%
- 館林信用金庫 96%
- しまなみ信用金庫 96%
- ありがとう投信 95%
- 中兵庫信用金庫 94%
- 北群馬信用金庫 92%
- 観音寺信用金庫 90%
226の金融機関は、それぞれ扱っている顧客数や投資規模なども異なります。
ですから、「利益を出している顧客の比率」が高いというだけでは、投資を買うのにふさわしい金融機関ということはできません。
また、たまたまこの1年間ラッキーだったという可能性もゼロではありません。
しかし、ここに挙げた7社は、少なくとも過去1年間は、顧客に対するアドバイスが的確で、儲かる投信を勧めることができたのです。それは評価すべきでしょう。
「投資信託」というリスクのある商品を売っていながら、9割以上の顧客に損をさせなかったという実績は、それだけの意味があるのです。
それでも必ず儲かるとは限らない
金融庁のデータによって、投資信託で儲かっている人は「65%」ということが分かりました。
そして、会社によっては儲かる確率が「98%」と高いことも分かりました。
しかし、「投資信託」を始めとする投資は、必ず損をする可能性を伴います。
過去1年間に、利益を出した人の確率が98%であっても、2%の人は損をしています。
また、98%という高い確率が来年も続くとは限りません。
つまり、「必ず儲かる」ということは誰にも言えません。
もし、「必ず儲かる」という言葉で誘う人がいたら、その人は信用してはいけない人なのです。
投資をするときは、損をするリスクがあることを理解し、自分の性格や、投資に充てるお金が、そういうリスクにさらしてよいものであるかどうかを考えてから決めましょう。