40代以上の非正規雇用者の手取りの月収は8~12万円
40代から70代の非正規雇用者にアンケート
マイナビが、中高年の「非正規就労者実態調査」の結果を公開しています。
2019年6月に行なわれたインターネット調査には、非正規雇用で働いている40歳から79歳の男女1,735人が回答しています。
「非正規雇用」とは、正社員以外の契約社員、派遣社員、パート/アルバイトによる働き方を指しています。
手取りの月収は8万円から12万円
まず、「手取りの月収」から見てみましょう。
ここでは、平均値ではなく、収入が少ない方から順番に並べたときに真ん中にあたる「中央値」で表しています。
中央値で見ると、一部の収入が多い人の影響を受けにくく、集団の実態がわかりやすくなります。
それぞれの年代の手取りの月収は、「40代」が12万円、「50代」と「60代」が10万円、「70代」が8万円でした。
なお、雇用形態別の中央値を見ると、「契約社員」が20万円、「派遣社員」が17万円、「パート/アルバイト」が9万円です。
同じ年代であっても、雇用形態によって手取りの月収には大きな差があることが分かります。
60代以降は定年退職者が多い
今回の回答者は、40代から70代ですが、60代を境にしてかなり差が出る項目があります。
その一つが「定年退職の経験率」です。
「40代」と「50代」は定年退職の経験者はほとんどいません。
しかし、「60代」になると50%、「70代」では67%が定年退職の経験者です。
つまり、60代以上で非正規雇用で働いている人の多くは、正社員として働いた上で定年退職をした人なのです。
60代以降は正社員になることを望んでいない
もう一つ、60代を境にして差がある項目があります。
それは「正社員での就労希望意向」です。
つまり、できれば非正規雇用ではなく、正社員に登用されて働きたいと希望している人の割合です。
「40代」と「50代」は20%前後の人が、正社員登用を希望しています。
しかし、「60代」になると7%、「70代」になると3%しか、正社員への登用を希望していません。
正社員になってフルタイムで働くよりも、自分の体調や都合に合わせて働きたいという希望が強くなるのでしょう。
70代になると、現在の職場で働き続けたいという気持ちが強くなる
さらに高齢の非正規雇用者の特徴と言えるのが、「現在の職場で働き続けたい」という意欲が強いことです。
特に「70代」では、回答者の87%が、現在の職場で働き続けることを希望しています。
実際に「70代」の人が、今の職場で継続して働いている年数も、他の年代よりも長い「6.8年」でした。
「70代」の非正規雇用者は、慣れ親しんだ職場で働きたいという希望が強く、辞めにくいという特徴があるのです。
辞めたくなる理由は「仕事の内容に対して、収入が少ない」
最後に、40代から70代までの非正規雇用者が、退職を考える理由を見てみましょう。
- 時給アップが望めない
- パート/アルバイトなのに社員の仕事と変わらない
- 時給が低い
- 職場の人間関係が悪い
- 仕事がきつい
一言で言うと、「仕事の内容に対して、収入が少ない」という不満が多いようです。
なお、「60代」では「肉体労働であること」が、「70代」では「一人でもくもくとする仕事が多い」という不満が、他の年代よりも目立ちます。
60代になると、体力が必要な仕事や、会話が少ない仕事は避けたいという人が増えてくるのです。
定年退職後に仕事を探すときは、自分の体力や働き方の内容について配慮すると、長く勤められる職場が見つけやすくなるでしょう。