親の介護経験者が困ったのは、「介護費用」よりも「精神的な負担」
介護経験者250人へのアンケート
アクサ生命保険が、「介護に関する親と子の意識調査 2019」を公開しています。
ここでは、その中から、実際に親の介護経験がある、40代と50代の250人の回答について紹介します。
介護の困難は「精神的な負担」
「介護生活において困難を感じたこと」を聞くと、一番多い回答は「精神的な負担」でした。
それ以外では「仕事への影響」「健康と体力」「自由時間の減少」を、半分以上の人が挙げています。
これらは、すべて介護する側の問題であることが特徴です。
つまり、介護生活において危機に陥りやすいのは、「介護される側」よりも「介護する側」であることが分かります。
それだけ介護生活は、「介護する側」にとって大きな負担なのです。
逆に、「介護費用」について挙げている人は、34%に留まっています。
介護が始まる前は、介護費用を心配している人が多いのですが、実際に介護認定を受け、介護保険が使えるようになると、想像していたほどにはお金がかからないことが多いのです。
それよりも介護生活を支える側である、自分自身の側に問題が起きやすいというのが、実際に介護経験がある人の実感なのです。
いろいろなことを考えておかなければならない
では、介護生活について、どんな準備が重要なのでしょうか。
「親の介護に対する準備について大切だと思うこと」を6つの項目について聞いています。
- 介護に対する心の準備 99.2%
- 介護に関する情報収集 98.8%
- 介護費用の見積もり 97.6%
- 介護開始後の自分や家族のライフスタイルについて考える 97.6%
- 介護資金の準備 97.2%
- 介護開始後の自分の就業について考える 96.0%
「大切だと思う」人の割合が一番多いのは「介護に対する心の準備」でした。「大切だ」という人は、実に99.2%でした。
つまり、介護経験者のほぼ全員が「介護に対する心の準備」が必要だと感じています。
また、「大切だ」という人が一番少なかった「介護開始後の自分の就業について考える」でも、96.0%の人が大切としています。
介護経験者から見ると、ここに挙がっている6つの項目全部が、親の介護が始まる前に考えておかなければならないことなのです。
「介護生活」は重い負担が自分や家族など広い範囲に及びます。
それだけに、あらかじめ良く考えて、介護生活への覚悟を決めておく必要があるということなのでしょう。