お金に対する最大の不安は「老後資金」。20代も例外なし
千人を超す有職者へのアンケート
チューリッヒ生命が「保障に関する認識調査」の結果を公開しています。
2019年2月に行われたインターネット調査には、20~70歳の男女有職者1,116人が回答しています。
すべての年代を覆う「老後資金の不安」
まず、「今抱えている金銭面での最大の不安」という質問をしています。
選択肢は「毎月の支払い」「定年退職後の資金」「家族と友人の負担」「債務の削減」「その他」の5つでした。
そして、20代を含むすべての年代において「定年退職後の資金」が1位となっていいます。
20代でも41%、55歳以上では68%が、定年退職後に十分な資金があるかどうかが最大の不安と回答しています。
特に、社会人として働きはじめたばかりの20代においても、定年退職後の資金への不安が他の不安を大きく上回っており、老後資金への不安を抱えながら生活しているのが印象的です。
7割前後の人が貯金をしている
「2018年の収入は貯蓄しましたか」という質問に、「貯金した」人が多くなっています。
20代では75%、55歳位以上でも67%の人が、その年の収入から貯金を行なっています。
20代でも貯蓄に対する意識は高く、その背景には老後資金への不安があると思われます。
1年以内に退職する可能性がある人が30%以上
「今後1年以内に、自分の意思で退職する可能性」がある人は、全年代で30%を超えています。
特に、20代と30代では、半分近くの人が1年以内に自発的に退職する可能性があると答えています。
この年代では、「終身雇用」の意識が低下していることがわかります。
また、将来への強い不安から、現在の職場にしがみつくのではなく、逆に、「このままここで働き続けていて良いのか」という意識から転職や独立などを考えている可能性があります。
老後への不安と、広がる選択肢
チューリッヒ生命では、この結果を受けて、次のようにコメントしています。
一つの会社で長期就労することを前提とした、現行の福利厚生制度について、見直しの議論に拍車がかかると思われます。
また、就労実態に即した社会保障および公的制度への見直しや、保険等金融商品の活用が必要になると考えられます。
つまり、新卒採用から終身雇用を前提とした雇用のシステムが変わりつつあり、「副業」や「フリーランス」など、働き方の選択肢が増えていくとしています。
働き方が変わることと、老後への強い不安があることで、年金を含む社会制度も変わっていくでしょう。
そのような状況の変化によって、どんな働き方を選ぶのかを、問われる場面が増えていくでしょう。