「老後の生活設計」が国民最大の悩みとして定着
「老後の生活設計」が最大の悩み
政府が行なった世論調査で、「老後の生活設計」が、国民にとって最大の悩みであることが明らかとなりました。
2019年6月に行なわれた「国民生活に関する世論調査」において、日常生活での悩みや不安として「老後の生活設計」を挙げた人が一番多かったのです。
この傾向は、ここ20年に渡って続いており、すでに「老後の生活設計」は国民の悩みとして定着しています。
今回の国民生活に関する世論調査は、2019年6月に面接形式で行なわれ、5,492人が回答しています。
3人のうち2人は、何かの悩みを抱えている
もう少しくわしく、世論調査の結果を見ていきましょう。
まず、「日頃の生活の中で、悩みや不安を感じているか」という質問に、「感じている」と答えた人は63%でした。
回答者の半分以上が、何かの悩みごとを抱えています。
一番多い悩みが「老後の生活設計」
「悩みや不安の内容」の回答で一番多かったのが「老後の生活設計」でした。
つまり、代表的な悩みごとである「健康」や「金銭」「人間関係」よりも、「老後の生活設計」で悩んでいる人の方が多いのです。
二番目以降は、「自分の健康」「家族の健康」「今後の収入や資産の見通し」が続きます。
この世論調査では、以前は「自分の健康」が悩みや不安の1位でした。
しかし、1999年以降は、ほぼ毎年「老後の生活設計」が1位になっています。
若年層も「老後の生活設計」で悩んでいる
「老後の生活設計」の特徴は、年齢によって、悩んでいる人の差が大きいことです。
一番多いのは「50代」で、71%の人が悩んでいます。
また、他の年代に比べると少ないとはいえ「18~29歳」という若い年齢層でも、37%の人が「老後の生活設計」で悩んでいます。
政府への要望も「年金」が1位
同じ世論調査の「政府に対する要望」という質問においても、もっとも多い回答は「医療・年金等の社会保障の整備」でした。
また、「高齢社会対策」という回答も多く、老後の生活設計への不安が反映されています。
この世論調査の目的は、「国民の生活に関する意識や要望を種々の観点でとらえ、広く行政一般の基礎資料とする」ことです。
若年層も含めた国民の半分以上が「老後の生活設計」を心配して生きているという事態が、少しでも改善されることを期待しましょう。