住宅火災による死者の6割以上が高齢者。原因は「たばこ」と「ストーブ」
[2019/9/12 00:00]
「住宅火災」は死者が出やすい危険な火災
消防庁が、2018年の火災の状況について報告書を公開しています。
2018年の総出火件数は「3万7,981件」でした。
火災による総死者数は「1,427人」でした。
出火件数と死者数のいずれも、昨年より少なくなっています。
私達に身近な火災は「住宅火災」です。
すべての火災のうち、「住宅火災」の出火件数は「1万1,019件」で、全体の3割を占めています。
住宅火災による死者は「1,028人」で、全体の7割以上を占めています。
つまり、住宅火災は、件数の割に死者が出やすい、危険な火災なのです。
一戸建て住宅の火事が多い
「住宅火災」の建物の種別を見ると、一戸建ての「一般住宅」が多く、半分以上を占めています。
次はアパートなどの「共同住宅」が3割でした。
店舗との「併用住宅」は多くありません。
死者の6割以上が高齢者
「住宅火災」による死者の年齢を見ると、「65歳以上」の高齢者が6割以上を占めています。
死亡原因は「逃げ遅れ」が多い
「住宅火災」による死者が発生した状況を見ると、「逃げ遅れ」が多くなっています。
煙に巻かれてしまったり、睡眠中で出火に気が付かないなどの理由で、逃げ遅れて死亡する例が多いのでしょう。
出火原因の1位は「たばこ」
死者が発生した住宅火災の出火原因を見てみましょう。
一番多いのが「たばこ」でした。
次が「ストーブ」です。
「放火」は三番目ですが、「放火の疑い」も多いので、実際には二番目に多い原因と見て良いでしょう。
「一戸建て」に住む「高齢者」は注意が必要
「住宅火災」の特徴をまとめてみましょう。
- 一戸建て住宅が多い
- 高齢者の死者が多い
- 原因は「逃げ遅れ」が多い
- 家事の原因は「たばこ」「ストーブ」「放火」
つまり、一戸建て住宅に住む高齢者は特に注意が必要です。
消防庁では、住宅火災を防ぐために「3つの習慣と4つの対策」を呼びかけています。
3つの習慣
- 寝たばこは、絶対やめる。
- ストーブは、燃えやすいものから離れた位置で使用する。
- ガスこんろなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。
4つの対策
- 逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
- 寝具、衣類及びカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する。
- 火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器等を設置する。
- お年寄りや身体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制をつくる。
火事は、大切な住居や財産を失くしてしまう災害です。
自分や家族の命を守るためにも、できることから始めましょう。