50歳以上の起業の理由は「自由に仕事がしたい」。やりたい仕事は「コンサルタント」か「小売」
起業に関するアンケート
起業支援のクラウドサービスを提供する「freee(フリー)」が、起業に関するアンケート結果を公開しています。
2019年8月から9月にかけて行なわれたインターネット調査には、20歳~69歳の男女900人が回答しています。
ここでは、50歳以上と定義された「シニア層」の回答に絞って紹介します。
企業に関心がある人は3割弱
シニア層のうち、「起業に関心がある人」は、28.7%でした。
他の年代に比べると、10%ほど低くなっています。
起業の理由は「自由に仕事がしたかった」
起業に関心がある人に限って、「なぜ起業しようと思いましたか」と聞いています。
一番多い回答は、「自由に仕事がしたかった」でした。
4割以上の人が、これを挙げており、会社や上司から離れて自由に仕事をしたいという願望が強いことが分かります。
そして、「収入を増やしたかった」と「退職後に、年金以外の収入も得たいから」が続きます。
また、「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」や「定年後に社会とのつながりが欲しいから」など、自分の年齢の高さを意識した回答も多くなっています。
そして、「趣味/特技を生かしたかった」「自分が持っている資格や技術を事業化したかった」など、自分が築いてきた知識やノウハウを活かして仕事をしたいという人も多いようです。
起業できない理由は「自己資金の不足」
「起業に対して不安に感じていることで、起業に踏み切れない(なかった)要因」を聞いています。
半分以上の人が「自己資金の不足」を挙げています。
そして、「資金の調達の難しさ」や「収入減など失敗した時のリスクが大きい」など、資金面の問題が続きます。
シニアの場合、起業に失敗したときに取り戻す時間が少ないことも、資金面の不安を募らせる原因でしょう。
資金面以外では、「事業運営に関する知識・ノウハウがない」と「起業の方法が分からない」「取引先(顧客)の確保」などが挙がっており、起業や経営に関する知識が足りていないという自覚があることが分かります。
やりたい仕事は「コンサルタント」か「小売」
最後に「起業したいと思っている(思った)職種」を聞いています。
「コンサルタント業」と「小売業」が同率で1位となりました。
コンサルタント業に人気があるのは、自分が築いてきたキャリアへの自負があるからでしょう。
もう一つの小売業は、起業後の仕事の内容が想像しやすいからでしょう。
しかし、三番目には「特に決まっていない(決めていない)」が入り、起業プランの具体化が進んでいないことが分かります。
四番目以降は、「飲食業」と「教育・学習支援」が続きます。
「起業」がセカンドライフの選択肢に
最短5分で開業や会社設立に必要な書類を簡単に作成できるクラウドサービス「開業freee」の事業責任者である鈴木幸尚氏は、今回の調査を受けて以下のように解説しています。
シニア層の起業関心度は、今の社会背景である人生100年時代や多様性時代の影響が大きいと感じます。
定年後、セカンドライフを迎える中でビジネスをリタイアするのではなく、継続して働く時代がもうやってきています。
但し、お金だけを目的にした働き方ではなく、ご自身の好きな業種で働きながら人生を楽しみたいという人が増えているのではないでしょうか。
これまで起業は若年層のものとして捉えられていた傾向にありますが、今ではシニア層にとっても起業という選択肢が、人生を長く謳歌するために必要な手段の一つになっていくと思います。