50代の本音の転職理由。1位は「人間関係」
50代の本音の転職理由
専門家を中心にした人材紹介会社のMS-Japan(エムエス ジャパン)が、「50代の“ホンネの転職理由"」を公開しています。
この調査は、2019年8月にサイトを利用した、50代の転職希望者100人のカウンセリング内容が基となっています。
やっぱり1位は「人間関係」
さっそく、「転職理由」のランキングを見てみましょう。
一番多かったのは、「人間関係」でした。
「人間関係」は、どの世代でも多い転職理由ですが、50代でも例外ではないようです。
- 親会社から天下ってきた上司が自分勝手で聞く耳をもたない
- 好き勝手する出向者と仕事をできるだけしたくない若者社員ばかりで、モチベーションダウン
- 同族企業で理不尽なことが多く、仕事をさせてもらえない
- 経営企画部の上司から「更年期障害じゃないの」と言われた
2位は「経験を幅広く活かしたい」
50代の転職理由の2位は「経験を幅広く活かしたい」でした。
60代以降のキャリアを見据え、多少年収が落ちてもやりがいのある仕事に就くために転職を考えているのが50代の特徴です。
- 年収が下がるなら別の会社でもう一度頑張りたい
- 60歳以降も、やりがいを持って仕事を続けていきたい
- 次のステージでもう一花咲かせたい!
- これまでの経験をベンチャー企業(IPO企業)で活かしたい
3位は「会社に対する不安」です。
転職理由の3位は「会社に対する不安」でした。
中でも多いのは、業績の不振による先行き不安でした。
以前のように「60歳」までしかこの会社にいないのならば、そのまま定年を待ったでしょうが、現在のように65歳までいるとなると、会社の将来が頼りなく感じて転職を考えるのでしょう。
- 4期連続赤字で将来不安
- 海外事業の失敗が響き業績が低迷
- 親会社が変わり、組織編制なども大がかりに
- 業績が上がり利益も出ていると聞いていたが、本当は赤字だった(粉飾決算)
50代の転職は「減収」が前提
現在は人手不足の状況ですが、50代の転職は甘くはありません。
転職を希望する人も、それは理解しており、転職先で希望する年収は、現在の年収よりも少なくなってます。
例えば、2019年4月~8月にMS-Japanに登録者した50代のデータを見てみましょう。
「50代前半」では、現在の年収が「756万円」なのに対して、希望年収は「685万円」です。
「50代後半」では、現在の年収が「851万円」なのに対して、希望年収は「665万円」です。
いずれも、現在の年収よりも大きく減収になることが前提となっています。
ただし、かなり下げたと言っても、この希望年収がそのまま受け入れられるわけではありません。
例えば、これだけ高い年収を提示すれば、もっと若く優秀な人材を取ることも不可能では無いでしょう。
その時に、若い人を取るか、50代を取るかは、50代が持つ「経験」がどのように評価されるかで決まるでしょう。
転職を希望する50代は、自分の持つ「経験」を、採用を検討する人に、分かりやすい形で提示する必要があります。
もし、自分の持つ「経験」を抜きにしたときに、自分の人材として価値がどのように評価されるかも考えておけば、転職先や職種を考えるときの選択肢が広がることでしょう。