「不正利用」などネガティブイメージが強い「スマホ決済」
スマホ決済のイメージ調査
リサーチ・コンサルティング会社のJ.D. パワー ジャパンが、スマートフォン決済(以下、スマホ決済)に対する調査結果を公開しています。
この調査によって、「スマホ決済は、セキュリティ面での不安から安心感が低く、特に非利用者や女性において、ネガティブな印象が強い」ことが分かりました。
2019年8月に行なわれたインターネット調査には、20代~60代の男女400人が回答しています。
スマホ決済はネガティブなイメージが強い
「スマホ決済に対するイメージ」で一番多いのは、「不正利用への不安」でした。
次も「個人情報漏洩への不安」で、ネガティブなイメージを持っている人が多いことが分かります。
三番目は「ポイント還元や割引でお得になる」「現金を持ち歩くわずらわしさがない」「支払いが素早い」とポジティブなイメージが同率で並びました。
しかし、全体的には、お得感や利便性の良さといった前向きなイメージよりも、セキュリティ面の不安感が上回っています。
特に、スマホ決済を利用していない人は、「不正利用への不安」と「個人情報漏洩への不安」を挙げる人が多く、不安感の強さが分かります。
また、女性は、スマホ決済にネガティブなイメージを持つ人が多いことも分かりました。
スマホ決済の利用率は39%
スマホ決済は、実際にはどれぐらい使われているのでしょうか。
「1カ月以内にスマホ決済を利用した」人は「39%」でした。
年代別の差は大きく、「20~30代」では5割が利用していますが、「40代~60代」では3割に留まってます。
消費者はセキュリティに不安を感じている
J.D. パワー ジャパンのGBI部門 常務執行役員 梅澤希一氏は、次のようにコメントしています。
キャッシュレス決済の重要性が叫ばれていますが、本調査では利用者の実態や一般消費者の意識を知ることができました。
現状では、キャッシュレス決済のメインは「クレジット」や「電子マネー」であるものの、「QRコード・バーコード決済サービス」の利用意向は現状の利用率に比べて高く、「QRコード・バーコード決済サービス」の普及を予感させる結果となりました。
また、現状では若い年代を中心に普及していますが、今後市場の認知向上と共に、上の年代にも利用が広がることが考えられます。
大規模な不正アクセス事件をきっかけに、消費者はセキュリティ面での安全面に疑問を抱いており、一層の普及に向けて不安解消は必須と言えるでしょう。セキュリティ強化に向けた取り組みを通じて消費者からの信頼を得ることが重要と考えます。