周囲に迷惑をかける会社の辞め方の1位は「退職日が急すぎる」
周囲に迷惑をかける会社の辞め方アンケート
総合転職支援サービスの「エン転職」の調査で、周囲に迷惑をかける会社の辞め方の1位は「退職日が急すぎる」であることが分かりました。
2019年7月から8月にかけて行なわれたインターネット調査には、エン転職のユーザー10,074人が回答しています。
同僚を困らせる退職者は意外と多い
アンケートでは、『周囲の社員が退職する際に「この進め方は良くない」「困った」と感じたことはありますか』と聞いています。
「感じたことがある」人は、回答者の36%でした。
一番困る「退職日が急すぎる」
困ったと感じたことがある人を対象に「どのような出来事で感じたか」を聞いています。
一番多い回答は、「退職日が急すぎる」でした。
半分以上の人が、これを挙げており、周囲に迷惑をかける典型的な行動のようです。
回答者から寄せられたコメントでは、上司や同僚だけではなく、お客様にも迷惑をかけそうな状況が報告されています。
- 販売職なのですが、セール直前に店長から「退職する」と言われ、どうやってお店を回したら良いか分からなくなった(34歳女性)
「引継ぎが適当」で後任が迷惑
二番目に多いのが「引継ぎが適当」でした。
こちらも、同僚に迷惑をかけそうな行動が報告されています。
- 引継ぎ期間が短かったので、残された人達で仕事をまわすのが大変でした。最低限でも良いので、マニュアルを作ってから辞めてほしかったです(31歳女性)
- 引継ぎの情報が少なく、社内で使っているIT機器の引継ぎや解約、諸連絡先が分からず、かなり手間取った(36歳男性)
引き継ぎ期間の長短もありますが、後任の同僚がスムーズに仕事ができるような配慮が期待されます。
辞めるなら「タイミング」と「手順」も大切
三番目に多いのが「退職を伝えるタイミングがよくない」です。
- 新しい仕事を任された直後に退職意向届が来ました(29歳男性)
このように、新しい仕事を引き受けた直後に辞めるというのは、そのためにお膳立てをした周囲を困らせる行動です。
また、報告の手順が悪い例もありました。
- 上司や人事ではなく、同僚や部下に退職意向を伝えており、それが上司の耳に入ってしまった。退職を伝える順番は大事(43歳女性)
「仕事を辞める」ときには、最初に「上司」に報告するのが基本です。
伝える順番を間違うと、本当に辞める気があるのかどうかも疑われ、周囲に迷惑をかけることになります。
人と人とは意外なところでつながっている
例えば、転職で退職するときに、「すぐに、この会社から離れたい」という気持ちが先走って、ひどい辞め方をする人はたくさんいます。
しかし、その職場は、これまであなたが働いてきた場所であり、一定の人間関係を築いてきた場所です。
その人間関係を踏みにじるような辞め方をして、顔も出せないような状態になると、それはあなたのキャリアにも響いてくるものです。
辞めた本人は、辞める時に迷惑をかけたことさえ、恨みを晴らしたつもりになって、爽快感さえ感じているものです。
しかし、人間同士や会社同士というのは意外なところでつながっているものです。
そのために、「前の会社に顔を出せない」ような状態が、新しい会社での障害になることも少なくありません。
例えば、どうも新しい会社になじめなくて、再び転職をするために退職を言い出したところ、「君は前の会社でひどい辞め方をしたと聞いているが、今回はちゃんと引き継ぎをやってもらうからね」と言われて、どうして自分が新しい会社になじめなかったのか、やっと理由が分かったという人がいます。
もっとひどい例では、「M&A(会社買収)によって、辞めた会社と新しい会社が一つになり、迷惑をかけた同僚と再び働くことになった」ということも実際に起きています。
会社を辞めるときに、周囲に迷惑をかけないような配慮をすることが、回り回って、自分自身への評価につながる可能性があることを覚えておきましょう。