定年に向けた研修を受けたことがある人は2割。自分を守るためには自分で勉強を

[2019/10/26 00:00]

「定年に向けての研修」についてのアンケート

総合情報サービス企業の日本総研が、東京圏で働く中高年男子に対するアンケート結果を公開しています。

2019年3月に行なわれたインターネット調査には、東京都内の会社に勤務する、4年制大学以上の学歴を持つ、45歳から64歳の男性1,794人が回答しています。

この記事では、「定年に向けての研修」に関係する結果を紹介します。

研修の経験者は2割

40代や50代になると、「キャリアプランセミナー」などの名前で、会社主催の研修が行なわれることがあります。

内容は、「役職定年」から「定年」にかけての選択肢、定年後の再雇用制度、退職金や年金の目安などの解説が中心です。

しかし、すべての企業がこういう研修をしてくれるわけではありません。

「研修を受けたことがある」人は、全体の2割しかいません。

「受ける予定がない」という人が6割を超えるのです。

出典:データを基に編集部が作成

小さい会社は研修がないことが多い

アンケートでは、このような定年に向けた研修と、勤めている会社の規模の関係を見ています。

従業員数が100人未満の企業では、研修を行なっているのは2割を切ります。

一方、従業員数が千人を超える大企業では、研修の実施率が5割を超えます。

やはり会社の規模が大きいと、こういうところまで行き届くということでしょう。

そんな大企業でも、半分近くの会社は、定年に向けた研修が行なわれていません。

人事部門にとっては、今後の課題と言えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

自助努力をしないとキャリアが守れない

定年に向けた研修が、多くの企業では行なわれていないという現状では、自分で知識を得るという努力が必要となります。

知識を得るための自助努力の手段としては「読書」が基本です。

しかし、「1カ月に読む本」の冊数で、一番多いのは「0冊」でした。

つまり、「読書をしない」人が3割以上もいるのです。

このアンケートは、4年制大学卒業者が対象で、一応、高学歴ということになっています。

しかし、社会に出てから20年以上も経過していると、読書の習慣を失くしてしまった人が多いのです。

出典:データを基に編集部が作成

「生涯学習」や「リカレント教育」とまで構えなくても、自分自身のキャリアを守るためには、学びつづける習慣が欠かせません。

中高年サラリーマンには、「定年」という大学卒業と同じか、もっと大きなイベントが間近に迫っています。

できるだけ早い時期から情報を集め、少しでも対策を進めてください。

[シニアガイド編集部]