介護施設を探している人の大半が「できるだけ早く入居したい」と希望している
実際に介護施設を探している人の実情
老人ホームと介護施設の検索サイト「LIFULL介護(ライフル介護)」が、利用者の実態調査を公開しています。
このレポートは、2018年10月から2019年9月の間に「LIFULL介護」を使用して、資料請求や問い合わせをした人のデータを基にしたものです。
実際に、介護施設を必要としている人が対象だけに、困っている状況がよく分かるレポートとなっています。
半分以上の人が「3カ月以内」の入居を目指している
介護施設を探している人は、いつ入居することを希望しているのでしょうか。
一番多いのは「できるだけ早く」でした。
これと「3カ月以内」を合わせると、50%を超えます。
つまり、入居対象者を、できるだけ早く、遅くとも3カ月以内に入居させたいという人が半分もいるのです。
それだけ追い込まれた状況で、介護施設を探していることが分かります。
入居の対象者は80代が多い
介護施設の入居対象者の年齢を見ると、「85~89歳」が最も多く、次が「80~84歳」でした。
この2つ、つまり「80代」だけで50%を超えます。
さらに、「75歳以上」まで広げると、全体の86%を占めています。
介護施設を必要とする人は、75歳以上が多く、80歳以降に急増することが分かります。
軽度者でも認知症症状がある人が多い
入居対象者の要介護度を見ると、「軽度者(要支援1、要支援2、要介護1、要介護2)」が全体の半分を占めています。
もう少し詳しく見ると、「自立」の人が2割、介護認定を「申請中」や「未申請」の人も1割以上います。
介護認定のことを知らず、自立のままになっていたり、急に症状が出て介護認定が間に合わない人が多いのでしょう。
要介護度に関わらず、認知症の症状が出ている人が多い
入居対象者の要介護度は、軽度者が多いことが分かりました。
しかし、「要介護度1」の48.6%、「要介護度2」の46.7%が、認知症症状があるとしています。
要介護度が低い場合でも、認知症症状がある人が多いことが分かります。
症状が急に進み、もう一度、介護認定を受けて要介護度を変えるのが間に合わないのでしょう。
家族が80歳に近くなったら準備を始めよう
介護施設を探している人は、入居対象者の家族が中心です。
入居対象者の年齢は「80代」が多く、要介護度は浅くても認知症の症状が出ている人が少なくありません。
それだけに、入居を急いでいる人が多く、「できるだけ早く」や「3カ月以内」を目指している人が目立ちます。
しかし、条件の良い施設には空きがなかったり、介護施設の見学や体験入居などに時間を取られることが多く、すぐに入居できないことが珍しくありません。
そのため、自分の親の年齢が80歳に近くなってきたら、症状が出ていなくても、介護施設の調査を始めることをお勧めします。
早くから準備を進めていれば、パンフレットを読んだり、施設の見学をしていく中で、どんな施設が自分の家族に合っているのかというイメージも固まってくるでしょう。