100歳以上の人の食事は、9割にタンパク質が含まれている
100歳以上の高齢者への調査
健康食品会社のキューサイが、100歳以上の高齢者へのアンケート結果を公開しています。
2019年6月から7月にかけて行なわれた調査では、全国の100歳以上の100人への聞き取りが行なわれました。
なお、寝たきり生活者と病院入院者は対象から除外されています。
「タンパク質」をよく摂っている
回答者の3日間の食事の内容を見ると、その9割に「タンパク質」が含まれていました。
特によく食べられていたのは、「鶏・うずらなどの鳥の卵」「豆腐(厚揚げ等も含む)」「牛乳」の3つでした。
そして「ハム、ソーセージ、ベーコンなど肉の加工品」「豚肉」「タイ・タラ・カレイ・鮭/サーモン等の白身魚」が続きます。
自分の歯が残っている人は3人に1人
回答者の3人に1人は、自分の歯が残っていることが分かりました。
多い人は、全体の4分の3も歯が残っています。
また、義歯も含めると「食事の時に前歯でお肉をかみ切ることができる」「奥歯で固い食べ物をかみ砕くことができる」 人が半分を超えます。
つまり、半分以上の人は、自力で食べ物を噛んで食べることができています。
3人に1人はフレイルのテストに合格
高齢者では、「フレイル(虚弱)」と呼ばれる、加齢に伴い身体の予備能力が低下して、健康障害を起こしやすくなった状態になってしまうことがあります。
今回の調査では、簡易なフレイル診断テストである「指輪っかテスト」を行なっています。
「指輪っかテスト」は、両手の人差し指と親指で輪を作り、利き足でない 方のふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに軽く囲む動作です。
このときに、指で作った輪と、ふくらはぎの間に隙間ができると、フレイルの要因の一つである「サルコペニア」と呼ばれる、筋肉量が減少して筋力や身体機能が低下している状態と判断されます。
回答者の3人に1人は「指輪っかテスト」で、「囲めない」または「ちょうど囲める」としており、フレイルの危険度が低いことが分かりました。
タンパク質をしっかり摂り、筋肉量を維持しよう
これらの結果について、日本サルコペニア・フレイル学会の吉村芳弘理事は、次のようにコメントしています。
まず、「歳を取ったら粗食」の考えは改める必要があります。
健康長寿には「タンパク質」をしっかり摂取することが大切です。
また、何を食べるかだけではなく誰と食べるかも大切で、一人で食事をする(孤食)のではなく、人と食事の時間を過ごすことも健康で長生きする秘訣でしょう。
さらに、食のためには「歯」を大切にすることも重要です。
そして、今回の調査で分かった、100歳でフレイルチェックの「指輪っかテスト」をクリアしているのは驚きの結果です。
筋肉量の維持こそ健康長寿の秘訣ともいえます。指輪っかテスト自体もしゃがむ動作が必要なため、身体能力が維持されていると推察されます。