介護経験のある人の2割は、同時に2人以上を介護する「多重介護」だった
実際に介護を経験した人へのアンケート
介護資格学校「日本総合福祉アカデミー」を運営するガネットが、介護に関するアンケート調査の結果を公開しています。
2019年10月に行なわれたインターネット調査では、介護経験のある全国の40代から70代以上の男女616人が回答しています。
同時に2人以上を介護する「多重介護」
「最大で、同時に何人の介護をしていますか、またはしていましたか」と聞いています。
一番多い回答は「1人」で7割強を占めています。
そして、「2人以上」の人が2割以上もいます。
これは、1人で複数の家族を、同時に介護する「多重介護(たじゅうかいご)」と呼ばれる状態です。
「多重介護」は、介護をする人への負担がとても大きい状態です。
将来の家族の介護について考えるときは、「多重介護」になる可能性があることを覚えておきましょう。
介護は「身体的、精神的ともに負担を感じる」作業
「介護をしている中で、身体的、精神的にどのくらい負担を感じたか」と聞いています。
回答者の8割は、「身体的、精神的ともに負担を感じている」と答えています。
最大の不安は「介護者自身の健康状態」
「介護の際に感じる不安について」聞いています。
一番多い回答は、「介護者自身の健康状態への不安」でした。
介護による、心身への負担が大きいことが分かります。
二番目が「介護と仕事の両立ができるか不安」、三番目が「資金などの準備ができるかが不安」と、今後の生活を維持することに不安を感じていることが分かります。
「外部のサポートやサービス」は使うべき
「外部のサポートやサービス(在宅介護、訪問介護、老人ホームなど)を利用してもよいと思いますか」と聞いています。
回答者の98%、つまり、ほぼすべての人が「外部のサポートを利用するべきだ」と答えています。
介護を経験した人は、介護は少数の家族で支えるものではなく、外部のサポートを利用するのが当然であると考えていることが分かりました。
それだけ、介護を支える家族の負担が大きいのでしょう。
介護は、何年続くか分からない、終わりの見えない長期戦です。
「世間」や「外聞」などを気にすることなく、外部のサポートを受けて、少しでも介護の負担を軽くすることを考えましょう。