リフォームの平均予算は「241万円」、目的は「住宅内の設備の改善」
実際にリフォームを行なった人への調査
住宅の改築や改装を行なうことを「リフォーム」と言います。
リフォーム市場は、専門の業者以外にも、工務店や、家電量販店なども参入しており、「リフォーム」という言葉のイメージも広がっています。
この記事では、国土交通省の「住宅市場動向調査」を資料にして、実際に行なわれているリフォームの内容などを紹介します。
調査は、2017年度(2017年4月~2018年3月)にリフォームを行なった、531人のデータを基にしています。
平均年齢は「59.4歳」
まず、リフォームを行なった人の年齢を見てみましょう。
リフォームを行なった世帯の世帯主の平均年齢は「59.4歳」でした。
年代の分布を見ると、「50代」と「60代」が多く、この2つで7割以上を占めています。
リフォーム資金は「241万円」
リフォームに必要とした資金の平均は「241万円」でした。
自己資金比率は84.5%と高く、住宅ローンなどの借入金に頼っている人は15%しかいません。
リフォームをする人のほとんどは、手持ちのお金の範囲内で行なっています。
リフォーム対象の家の築年は「27.2年」
また、リフォームした家の平均築年は「27.2年」でした。
年代別の分布を見ると、1980年代から2000年代にかけて建てられた家が、リフォームの対象となっています。
自分で住宅を購入してから、20年から30年ぐらいが、リフォームの適齢期のようです。
リフォームをした動機は「住宅がいたんだり汚れたりした」
リフォームをした動機で、一番多いのは「住宅がいたんだり汚れたりしていた」でした。
回答者の40%以上の人が、これを挙げています。
次に「台所/浴室/給湯器などの設備が不十分だった」と「家を長持ちさせるため」が20%台で続きます。
「家族や自分の老後に備えるため」は意外に少なく、約10%に留まりました。
リフォームの内容は「住宅内の設備の改善/変更」
リフォームの内容を見てみましょう。
一番多いのは、「住宅内の設備の改善/変更」でした。
それに「内装の模様替えなど」「住宅外の改善/変更」「冷暖房設備等の変更」を加えた4つが、リフォームの中心となっています。
高齢者向けに段差をなくす工事や、住宅の耐震化などは、あまり多くありません。
すべてを一度にリフォームする必要はない
リフォームの予算が「241万円」掛かるという結果に、「そんなに掛かるの」と驚く人も多いでしょう。
しかし、これは、あくまでも平均値ですから、あわてる必要はありません。
一戸建てにしても、マンションにしても、10年から20年住み続けていると、家屋や設備に故障が発生します。
でも、すぐにすべての設備を一度にリフォームする必要はないのです。
例えば、リフォームではなく、最小限の修理にとどめることもできます。
トイレの設備を新しくして、床を張り替えるぐらいならば20万円前後からできます。
困っていることは何かということを考えて、それをできるだけ少ない予算で解決する方法を検討してみましょう。
調査結果にもあるように、リフォームの資金は手持ち資金を使うのが正統的な手段です。
リフォームに力を入れすぎて、本来の住宅ローンと、リフォームの住宅ローンの二重ローンを抱えるようなことにならないように資金計画には気をつけてください。