一人暮らしの人の8割以上が「老後」を心配している
2,500人の一人暮らしへのアンケート
日銀の関係団体である金融広報中央委員会が「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を公開しています。
この調査には、「単身世帯調査」と「二人以上調査」がありますが、今回は一人暮らしの「単身世帯調査」を紹介します。
2019年6月から7月にかけて行なわれたインターネット調査には、20歳以上70歳未満の単身者2,500人が回答しています。
8割以上の人が「老後が心配」
「老後の生活への心配」について聞いています。
一番多いのは「非常に心配である」で、5割を超えています。
また、「多少心配である」も3割を超えました。
この2つを合わせた「心配である」と考えている人は、8割を超えています。
不安の理由は「お金がないから」
「老後の生活を心配している理由」で一番多いのは「十分な金融資産がないから」でした。
7割以上の人がこれを挙げており、老後の不安の最大の理由となってます。
なお、ここで言う金融資産とは、預貯金、有価証券、保険などを指します。
簡単に言えば、すぐに使えるお金が少ないので、老後の生活が不安という人が多いのです。
次に多いのは「年金や保険が十分ではないから」で、こちらも5割を超えました。
老後を心配している理由(上位5つ)
- 十分な金融資産がない 76%
- 年金や保険が十分ではない 58%
- 現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していない 33%
- 生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得る 22%
- 退職一時金が十分ではない 19%
「公的年金」と「就業による収入」が主な収入源
「老後の生活の収入源」として想定しているものを、3つまで挙げています。
一番多いのは「公的年金」ですが、あまり差がなく「就業による収入」が続いています。
つまり、老後も働き続けるしかないと思っている人が多いのです。
年金では日常生活をまかなうのは難しい
最後に「年金に対する考え方」を見てみましょう。
6割以上の人は「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と考えています。
公的年金に対する不安はとても深いことが分かります。
次いで、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」という人が3割強います。
しかし、「年金でさほど不自由なく暮らせる」と考えている人は、1割を切り、わずか4%しかいません。
老後の生活の柱と考えている「公的年金」に対して、このように強い不安を抱いている状況では、もう一つの柱である「就業による収入」に頼るしかないと考える人が多いのは仕方のないことでしょう。