1万社に聞いた「消費税増税」の影響。反動で売上が減少
1万社に聞いた「消費税増税」
企業情報調査企業の帝国データバンクが、2019年10月に行なわれた「消費税増税」前後の状況についての調査結果を公開しています。
調査は、消費税増税前の「駆け込み需要」と、増税後の「反動減」がテーマとなっています。
この調査は、2019年10月に企業を対象として行なわれ、1万113社が回答しています。
駆け込み需要があったのは4分の1
消費税が上がる前の、税金が安いうちに買い物をすることを「駆け込み需要」と言います。
今回の増税で「駆け込み需要があった」という企業は、4社に1社でした。
多くの企業は「駆け込み需要はなかった」と回答しています。
駆け込み需要があったのは「小売」
業界別に見ると、駆け込み需要があったとする企業は「小売」で多く、58.7%と半分を超えました。
時期的には、増税直前の2019年9月になってからという企業が多いようです。
「小売」以外で、「駆け込み需要があった」という企業が50%を超えた業界はありません。
「反動減」はあったか
消費税増税前の駆け込み需要によって、商品の需要が先取りされてしまい、増税後の売れ行きが下がることを「反動減」と言います。
「駆け込み需要があった」という企業のうち、「反動減がある」としているのは5割ほどでした。
特に「小売」では7割以上の企業が「反動減がある」としています。
つまり、それだけ売上が落ちているということです。
年末にかけてセール情報などに注意
今回の調査によって、「小売」の業界は、消費税増税の前後に「駆け込み需要」や「反動減」によって大きな影響を受けたことが分かりました。
「小売」は、多数の消費者と接する分野だけに、消費者の動向が直接反映されたのです。
特に今回の消費税増税では、食品を主な対象とする「軽減税率制度」が導入され、小売の企業にはレジなどの設備投資の負担がのしかかっています。
多くの企業が売上の低下を感じている現状を見ると、今後は売上を回復するためのセールなどが行なわれやすくなるでしょう。
これからは、冬のボーナス商戦や年末年始の休暇など、家計の消費が増える時期です。
増税対策やセールなどの情報に注意して、無駄のないお金の使い方をしましょう。