定年後に再雇用制度で働いたら、収入が半分になった人が4割もいる
再雇用制度で働いている人へのアンケート
高齢者の就労支援を行なう「マイスター60」が、再雇用制度で働いている人へのアンケート結果を公開しています。
2019年11月に行なわれたインターネット調査には、再雇用制度を利用して働いている60歳から65歳の男性500人が回答しています。
現在、「正社員/正職員」については、65歳までの雇用が企業に義務付けられています。
しかし、多くの企業では、65歳まで定年を延長するのではなく、定年は60歳のままで、それ以降は「再雇用制度」という形で、これまでとは異なった雇用条件になります。
では、再雇用制度の実態を見てみましょう。
6割以上が嘱託か契約社員
再雇用制度による雇用形態は、「嘱託/契約社員」が一番多く、6割以上を占めています。
多くの人にとって、再雇用制度で働くということは、契約社員として雇われるということなのです。
「正社員/正職員」の人は3割強でした。
雇用は1年単位が多い
雇用契約期間は、「1年以内」が5割、「1年を超える」が3割を占めています。
つまり、多くの人は、雇用期間の終わりが決まっている状態で働いています。
「期間の定めはない」人は1割ちょっとしかいません。
ほとんどの人は給与が大幅に減る
現在の賃金を現役時代と比べています。
一番多いのは「5割以上減った」でした。
これと「3~4割ほど減った」が、それぞれ4割ずついます。
つまり、再雇用制度で働いている人のほとんどは、現役時代よりも3割以上も収入が減っています。
現役時代と同じ、または増えたという人は、1割にも届きません。
給与については「全く想定外だった」
現在の働き方を定年前の想定と比べてみましょう。
「勤務日数/時間」や「仕事内容」については、だいたい想定内ですが、「給与」については「全く想定外だった」という人が2割を超えます。
実際に再雇用制度になるまで、給与が下がることを知らなかったのでしょう。
安い給与が会社への不満につながる
思った以上に給与が下がることは、会社への満足度にも影響します。
「勤務日数/時間」や「仕事内容」については、満足している人が多いのですが、「給与」については7割以上の人が不満としています。
再雇用制度では、同じような仕事をしているのに給与が下がることが多いので、給与への不満がつのるのでしょう。
せっかく定年まで勤め上げ、さらに再雇用制度で働いている会社が嫌いになるというのは哀しいことです。
再雇用の前に給与の確認も
アンケートの結果にあるように、再雇用制度の労働条件は、かなり厳しいものです。
再雇用制度を利用するときは、「勤務日数/時間」や「仕事内容」だけではなく、「給与」についても必ず確認しておきましょう。
少なくとも、再雇用制度で働き始めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないように、事前の調査が必要です。