65歳未満の在職老齢年金の基準が「28万円」から「47万円」へ引き上げへ

[2019/12/22 00:00]

在職老齢年金に対する方針が確定

厚労省を中心に議論が進んでいた「在職老齢年金」の基準額の改正について、明確な方針が明らかとなりました。

今回、首相官邸で行なわれた会議の中間報告書に、次のように明記されたのです。

  • 「60歳から64歳の在職老齢年金」(低在老)の基準額は「28万円」から「47万円」へ引き上げる
  • 「65歳以上の在職老齢年金」(高在老)の基準額は、現在の「47万円」のまま据え置く

厚労省の審議会では、「高在老」の基準額を引き上げる方向で議論が進んでいましたが、最終的には現行のままとなりました。

その代わり、「低在老」の基準額が高在老と同じに引き上げられる結果となりました。

働いていると年金が減らされる「在職老齢年金」

「在職老齢年金」は、会社に勤めながら年金を受け取っていると、収入に応じて年金の金額が減らされる制度です。

具体的には、収入と年金の合計が「基準額」を超えると、年金の減額が始まります。

例えば、給与が「21万円」で、年金が「15万円」の場合には、年金が4万円減額され「11万円」になってしまいます。

本当は、給与と年金を合わせて「36万円」だった収入が「32万円」に減ってしまうのです。

しかし、基準が47万円になると、給与と年金を合わせた「36万円」を全額受け取れるようになります。

現在、50代の男女が一番トクをする

もし、低在老の基準額が引き上げられたら、誰が一番トクをするのでしょうか。

それは、これから、65歳より前に年金を受取る世代です。

具体的には、男性は「1961年4月1日」、女性は「1966年4月1日」より前に生まれた、50代の人です。

現在、年金の支給開始年齢は、60歳から65歳へと、少しずつ引き上げられている状況です。

その変化をゆるやかにするために、「1961年4月1日」より前に生まれた男性と、「1966年4月1日」より前に生まれた女性には、65歳より前に「特別支給の老齢厚生年金」という名前で、厚生年金の一部が支給されます。

これまで、「特別支給の老齢厚生年金」を受け取りながら働いている人は、在職老齢年金を気にして、働く時間を減らして厚生年金から抜けるなどの対策を取っていました。

しかし、低在老の基準額が「47万円」になれば、ほとんどの氷魚とが働いた収入と年金の両方を、減額されることなく受け取れるようになります。

在職老齢年金を気にせず、自分の働き方を選べるようになるのです。

50代の人は、下の表を見て、自分が何歳から年金が受け取れるのか確認しておきましょう。

出典:日本年金機構

国会の審議を経て決定されるのは来年以降

今回の中間報告書は、あくまでも今後の年金政策の方針の確認です。

在職老齢年金の制度が変わるには、来年以降の国会で、法律の改正案が審議され、可決される必要があります。

そして、法律が施行されるのは、少なくとも次の年度になります。

在職老齢年金の基準額引き上げがいつから施行されるのか、来年の国会に注目しましょう。

[シニアガイド編集部]