終活について、親と話ができる人は半分もいない
60歳以上の親がいる人へのアンケート
葬儀社とのマッチングサービス「安心葬儀」を提供しているエス・エム・エスが、「親の終活に関する意識調査」の結果を公開しています。
2019年10月に行なわれたインターネット調査には、60歳以上の親を持つ男女428人が回答しています。
親と「よく話す」人が7割以上
直接会うことだけではなく、電話やメール、チャットなども含めて、親と「よく話す」人が7割を超えています。
中には、「毎日話す」人も3割近くいます。
親と同居している人を含むアンケートとはいえ、思ったよりも親との会話があることが分かります。
親と終活の話をする人は少ない
親の終活について、親と話したことが「ない」人の方が多く、半分を超えています。
話したことが「ある」人は4割ほどでした。
相談しておきたいのは「葬儀」と「相続」
親とは何を相談しておけば良いのでしょうか。
「親と生前に話しておきたいこと」を聞いています。
やはり、「葬儀」が一番多く、「相続財産」「納骨、お墓」など、親が亡くなったあとの儀式や手続きに関することが続きます。
どのように見送られたいか、どのように財産を相続させたいか、などの意向を聞いておきたいということでしょう。
また、「延命治療」や「介護」など、生前の選択についても、聞いておきたいという人も少なくありません。
切り出しにくくて、話ができない
終活について、親と話をしたことがない人は、どうして話をしないのでしょうか。
一番多い回答は、「切り出しにくい、話しにくい」でした。
そして、「話す機会、時間がない」が続きます。
どうも、親と話しをするきっかけがつかめないようです。
最期を迎えるまでは話せない
では、どんな状況ならば、親と終活について話ができると思っているのでしょうか。
「親が入院した、余命宣告を受けたなどで死期が近くなったとき」が一番多く。あまり差がなく「親のタイミングに任せたい」が続きます。
「話せるイメージがわかない」という人も多く、終活の話をすることの難しさが分かります。
話をする機会は「親戚の法事」
親の最後について、親自身と相談するということは難しいことです。
子供は、親に葬儀や財産などの話をして、「早く死ねば良いと思っているのだろう」と思われてしまうことを恐れています。
また、人によっては、自分がいつかは死ぬということを考えたことがなく、死について語ることを拒絶する人もいます。
もし、 自分の親がそういう人だった場合、葬儀や墓について話をすることは難しいでしょう。
終活について親と話したことがある人は、どんな場面で話したのでしょうか。
一番多いのは、「日常会話の中で話した」でした。
次に多いのは、「家族、親族が亡くなったとき」です。
たしかに、親戚の法事や葬儀などの機会に「自分だったら、こうしてほしいけど、お父さん(お母さん)だったら、どう思う」というように、自分のことを話す形で話題を振ってみるのも一つの方法です。
中には、「親が自分から話を切り出した」という人もいます。
何も話を聞かないまま親が亡くなると、それはそれで後悔することになります。
親にとってもなかなか話しづらい話題なので、話ができる機会を捉えて、おおまかな意向だけでも聞いておきましょう。
「お前が良いようにしてかまわない」と一言聞いておくだけでも、いざというときの判断を下すときに気が楽になります。