リモートワーク可能な求人が求めているのは、出社もある「一部リモート勤務」が多い
リモートワークができる求人の状況
転職サイトの「ミドルの転職」が、リモートワーク可能な求人についてのアンケート結果を公開しています。
2019年11月に行なわれたインターネット調査には、179人の転職コンサルタントが回答しています。
働きたい人と企業が求めるリモートワークのすれ違い
「リモートワーク」とはオフィスという場所にとらわれない働き方を指す言葉で、「テレワーク」と呼ばれることもあります。
一口に「リモートワーク」と言ってもいろいろな働き方があります。
よく使われる用語の意味を見てみましょう。
- 「在宅勤務」 基本的に働く人の自宅で作業する
- 「フルリモート勤務」 全く出社せずに家やその他の場所で仕事をする
- 「一部リモート勤務」 週に何回などの設定でオフィスに出社する
- 「モバイルワーク」 オフィス以外どこでも勤務できる
- 「レンタルオフィス勤務」 会社と契約しているレンタルオフィスで作業する
- 「サテライトオフィス勤務」 会社が用意したサテライトオフィスで作業する
このうち、「リモートワーク」の職を求める人の希望が多いのは「在宅勤務」でした。
そして、「一部リモート勤務」と「フルリモート勤務」が続きます。
一方、求人する企業が求めているのは「一部リモート勤務」が多く、「在宅勤務」が続きます。
職を求める人に人気がある「フルリモート勤務」ができる企業は多くありません。
いろいろな働き方があるリモートワーク
また、求人の現場においては、リモートワークに関する用語は正確に使われていない場合があります。あくまでも目安と考えた方が良いでしょう。
例えば、「モバイルワーク」とある求人なので、どこで働いても良いと思っていたら、電子会議システムを設置する関係で、実質的には「在宅勤務」に限定されている場合もあります。
また、「在宅勤務」だから、オフィスから離れた自宅で働いていれば良いと思っていたら、実は「一部リモート」で何日かに一度は出社が義務付けられている場合もあります。
思い込みだけでは誤解する恐れがあるので、必ず求人先に勤務の内容を確認しましょう。
IT系やコンサルなど、個人で働く仕事が向いている
「リモートワーク」は仕事の内容によって向き不向きがあり、それが求人にも反映されています。
まず「業種」で見ると、「IT/インターネット」が多く、かなり差がついて「コンサルティング」が続きます。
次に「職集」で見ると、「営業/マーケティング系」や「技術系」が多くなっています。
つまり、チームで行動する仕事ではなく、個人単位でできる仕事に求人が集まっています。
自分の探している仕事がリモートワークに向いているかどうかを考えてから職を探しましょう。
ベンチャー企業や外資系が積極的
また、「リモートワーク」の導入は企業の体質によって温度差があります。
具体的には「ベンチャー企業」はリモートワークを導入しやすいので求人が増えています。
また、「外資系企業」もリモートワークに積極的です。
しかし、歴史があって社内制度が固まっている「上場企業」や、リモートワークのための設備投資がしにくい「中堅/中小企業」では、リモートワークで働ける求人は少なくなります。
求人数は少ないので、条件をゆるめる検討も
家族の介護や、子育て、自分の健康状態などで、フルタイムでオフィスで働くことが難しい人にとって、「リモートワーク」は魅力的な存在です。
また、「リモートワーク」は、政府が「テレワーク月間」などの普及活動を行なっている影響で、以前よりも求人が増えています。
しかし、今回アンケートに回答した転職コンサルタントのうち、実際にリモートワーク可能な求人を扱った経験があるのは、31%に留まっています。
また、実際の働き方についても「フルタイムのリモートワーク勤務」よりも「一部リモート勤務」の方が求人が多いなど、リモートワークを希望する働き手と企業の希望にはミスマッチがあります。
リモートワークできる仕事を探すときは、例えば「週1回だけでも出社できるかどうか」で、求人物件の数が変わります。
自分の環境なら、どこまで対応できるのか、妥協できる条件を考えておくと、リモートワークの仕事が探しやすいでしょう。