65歳以上も働くなら「現役時代と同じ会社で働きたい」

[2020/2/2 00:00]

労働組合による高齢者雇用の調査

日本労働組合総連合会(連合)が、「高齢者雇用に関する調査」の結果を公開しています。

2019年12月に行なわれたインターネット調査には、全国の45歳~69歳の有職者1,000人が回答しています。

この記事では、「65歳以降の働き方」についての結果を紹介します。

「現役時代と同じ会社で働きたい」人が多い

全回答者のうち、65歳以降も働きたいと考えているは780人でした。

「65歳以降の働き方」として希望が多かったのは、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く」でした。

次も「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員として働く」で、現役時代に働いている会社から離れたくない、働く環境を変えたくないという気持ちが強いことが分かります。

なお、「会社をやめてフリーランスとして働く」を希望する人は少なく、どこかに勤めたいという人がほとんどです。

出典:連合

1日の労働時間は「5時間」が目安

「65歳以降に1日何時間働くことが適切か」と聞いています。

一番多いのは「5時間」でした。

回答者全体の平均も「5.4時間」なので、このあたりが一つの目安となるようです。

次に多いのが、フルタイムで働く「8時間」でした。

出典:連合

週に働く日数は3日~5日に分散

「65歳以降に週に何日働くことが適切か」と聞いています。

「3日」「4日」「5日」が、ほぼ3割ずつで並んでおり、人によって働き方のイメージに差があることが分かります。

一番多いのは「5日」で、フルタイムの正社員として働きたいという希望が強いことが分かります。

なお、回答者全体の平均は「3.9日」でした。

出典:連合

適切な賃金の平均は「16.8万円」

「65歳以降の1カ月の適切な賃金」の平均は「16.8万円」でした。

しかし、一番多いのは「5~10万円」と安く、次も「10~15万円」と低めです。

つまり、パートやアルバイトなど非正規でほどほどに働きたいという人の方が数は多いのです。

平均を引き上げているのは、正社員としてフルタイムで働き、20万円以上の賃金が欲しいという人が、ある程度いるためです。

中には、「30万円~50万円」が適切という人も1割を超えており、65歳以降であっても現役として高収入を得たいという気持ちを持っている人が少なくないことが分かります。

出典:連合

働き方は一つではなく、自分に合ったものを選びたい

アンケートの回答を見ていると、「65歳以降の働き方」は、一つの形に収まらないことが分かります。

できるだけ現役時代と同じ環境で働きたいという気持ちは共通でも、社員としてフルタイムで働きたいという人と、非正規雇用でほどほどに働きたいという人では、希望する働き方も賃金も異なります。

逆に言えば、正解は一つではなく、自分の経歴や体力、経済的状況などに応じて、いくつかの選択肢があるということです。

「働くからには、こうあらねばならない」という気持ちは捨てて、自分の状況に合った働き方を考えてみましょう。

[シニアガイド編集部]