実際に働いている60代の不満は「賃金」。満足している人は半分もいない

[2020/2/5 00:00]

実際に働いている60代へのアンケート

日本労働組合総連合会(連合)が、「高齢者雇用に関する調査」の結果を公開しています。

ここでは、「働いている60代の現状」に絞って紹介します。

2019年12月に行なわれたインターネット調査には、60歳から69歳の有職者400人が回答しています。

正規雇用なら「1日8時間」働いている

「1日に働いている時間」の平均は「6.8時間」でした。

しかし、正規雇用に限ると「8.0時間」で、60歳以下の社員とほぼ差がありません。

非正規雇用でも「6.3時間」なので、かなり長い時間、現役の労働力として働いていることが分かります。

出典:連合

週に「5日」働いている人が多い

「1週間で働いている日数」の平均は「4.5日」でした。

正規雇用では「4.9日」なので、週休二日制でフルタイムで働いている人が、ほとんどであることが分かります。

非正規雇用の場合でも「4.3日」と、週4日を超えています。

労働時間と同じように、労働日数についても、現役感のある働き方と言えるでしょう。

出典:連合

正規雇用と非正規雇用とで差がある「賃金」

「1カ月の賃金」の平均は「18万9千円」でした。

しかし、正規雇用と非正規雇用とでは大きな差があります。

正規雇用の平均は「33万1千円」ですが、非正規雇用では「13万円」に留まっています。

しかし、回答者の分布を見ると、30万円以上の月収がある人は1割しかいません。

つまり、少数の高収入の人によって、平均が引き上げられているのです。

一番多いのは「20万円以上25万円未満」ですし、次に多いのは「5万円以上10万円未満」です。

現実には、正規雇用であっても、高収入の人は限られており、現役時代に比べれば低い収入にとどまる人が多いでしょう。

出典:連合

「仕事」は満足だが、「賃金」に不満

60代で働いている人は、現在の仕事に満足しているのでしょうか。

「働き方」「労働時間」「労働日数」「仕事内容」の4つの項目については、7割以上の人が「満足」としており、一定の満足感が得られていることが分かります。

しかし、「賃金」については、「満足」は4割で半分を切っています。

60代で働いている人は、「働き方」をはじめとする“仕事”については満足しているものの、その対価である「賃金」については不満を抱いている人が多いと言えるでしょう。

自分が60歳以降も働くときは、仕事を見つけることが優先で、高い賃金を求めることは難しいということが分かります。

出典:連合
[シニアガイド編集部]