他県からの転入が多い県は8つ。「沖縄」が加わり、「愛知」が外れる

[2020/2/6 00:00]
赤は「転入超過」の都道府県

人が来る県、出ていく県

総務省統計局が、「住民基本台帳人口移動報告」を公開しています。

この調査は、2019年に都道府県の間で、人がどのように移動したかを住民票を基にして調べたものです。

それぞれの県の転入と転出の状況が分かるので、その県が周囲から人を集める県なのか、人が出ていく県なのかが分かります。

転入超過県に沖縄が加わり、愛知が外れる

2019年に、出ていった人(転出)よりも、入ってきた人(転入)が多い「転入超過」の都道府県は、8つでした。

それは、東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,大阪府,福岡県,滋賀県、沖縄県です。

2018年と比べると、数は同じですが、沖縄県が加わり、愛知県が外れました。

人口の転入が多い県を見ると、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県という、「東京圏」の都道府県が上位を占めています。

東京都だけで1年に8万人、1都3県を合わせた「東京圏」では14万人も人口が増えています。

ほかの転入超過県では、大阪府と福岡県は中心となる大都市が人を集めており、滋賀県と沖縄県は、ここ数年に渡って移住者が増え続けています。

転入超過および転出が少ない都道府県

  • 東京都 +82,982人
  • 神奈川県 +29,609人
  • 埼玉県 +26,654人
  • 千葉県 +9,538人
  • 大阪府 +8,064人
  • 福岡県 +2,925人
  • 滋賀県 +1,079人
  • 沖縄県 +695人
  • 鳥取県 -1,516人
  • 香川県 -1,677人
  • 佐賀県 -1,754人
  • 愛知県 -1,931人

名古屋市に人が集中する愛知県

2019年の「愛知県」は、転出が多く、1,931人の転出超過となりました。

しかし、愛知県の県庁所在地である「名古屋市」単体で見ると、3,415人も転入の方が多くなっています。

つまり、愛知県内も含めて、名古屋市への一極集中が進んでいることになります。

一方、ほかの大都市では、県庁所在地だけではなく、県全体で転入超過となっています。

例えば、「大阪府」は8,064人の転入超過で、「大阪市」単体では13,762人も転入超過です。

また、「福岡県」は2,925人の転入超過で、「福岡市」単体では8,191人の転入超過です。

いずれも、県庁所在地に人が集まる傾向はありますが、県全体で人が増える勢いがあると言えるでしょう。

なお、「東京都」は、東京都が8万2,982人の転入超過、「東京都特別区部(23区)」が6万4,176人の転入超過で、他の都道府県や県庁所在地とは桁が違う人口集中ぶりです。

さらに東京の場合、周囲の「埼玉県」「千葉県」「神奈川県」も転入超過となっており、東京都を中心とした「東京圏」の勢いの強さが分かります。

転入超過となっている県庁所在地/政令指定都市

  • 東京都特別区部(23区) +64,176
  • 大阪市(大阪府) +13,762
  • さいたま市(埼玉県) +11,252
  • 川崎市(神奈川県) +10,618
  • 横浜市(神奈川県) +10,306
  • 札幌市(北海道) +9,812
  • 福岡市(福岡県) +8,191
  • 千葉市(千葉県) +3,739
  • 名古屋市(愛知県) +3,415
  • 仙台市(宮城県) +1,349
  • 相模原市(神奈川県) +1,230
  • 熊本市(熊本県) +123

年に8千人以上が転出する「広島」

最後に、入ってきた人(転入)よりもい、出ていった人(転出)が多い「転出超過県」の一覧を掲載します。

一番多いのは「広島県」の8,018人でした。

そして、「茨城県」「長崎県」「新潟県」が7千人台で続いています。

なお、「北海道」「宮城県」「愛知県」「熊本県」は、県単位では転出超過ですが、それぞれの県庁所在地は転入の方が多くなっています。

都道府県単位では人が減っていても、中心部は、周囲の地域の人を集める魅力があるということでしょう。

転出超過の都道府県

  • 広島県 -8,018人
  • 茨城県 -7,495人
  • 長崎県 -7,309人
  • 新潟県 -7,225人
  • 福島県 -6,785人
  • 岐阜県 -6,765人
  • 三重県 -6,321人
  • 静岡県 -6,129人
  • 青森県 -6,044人
  • 兵庫県 -6,038人
  • 栃木県 -5,775人
  • 北海道 -5,568人
  • 岩手県 -4,526人
  • 長野県 -4,306人
  • 愛媛県 -4,305人
  • 山形県 -4,151人
  • 鹿児島県 -4,105人
  • 岡山県 -4,014人
  • 熊本県 -3,900人
  • 秋田県 -3,898人
  • 山口県 -3,659人
  • 奈良県 -3,435人
  • 和歌山県 -3,376人
  • 徳島県 -3,357人
  • 福井県 -3,336人
  • 大分県 -3,024人
  • 山梨県 -2,933人
  • 京都府 -2,688人
  • 宮崎県 -2,635人
  • 石川県 -2,602人
  • 高知県 -2,458人
  • 富山県 -2,326人
  • 群馬県 -2,208人
  • 宮城県 -1,983人
  • 島根県 -1,971人
  • 愛知県 -1,931人
  • 佐賀県 -1,754人
  • 香川県 -1,677人
  • 鳥取県 -1,516人
[シニアガイド編集部]