サラリーマンの健康保険料。高いのは「佐賀県」、安いのは「新潟県」
協会けんぽの保険料が改定
サラリーマンの健康保険である「協会けんぽ」の保険料率が改定されました。
新しい保険料は、2020年3月分(納付は4月)から適用されます。
「協会けんぽ」は中小の企業を中心に、多数の会社が加入している健康保険です。
そのため、保険料の改定は、多くのサラリーマンに影響します。
「協会けんぽ」の保険料は、都道府県単位で保険料率が決められています。
収入に対する保険料率は「10%」が目安ですが、その都道府県の医療費に基づいて定められます。
つまり、疾病の予防などの取り組みにより都道府県の医療費が下がれば、保険料率が下がります。
また、ジェネリック医薬品の使用割合などにはインセンティブ(報奨金制度)が導入されており、目標を達成した都道府県は、保険料率が下がります。
なお、この記事では「健康保険料」と「介護保険料」を合わせた率で、保険料を表示しています。
保険料が高い県
最初に、「保険料が高い県」を紹介しましょう。
保険料率が一番高い県は「佐賀県」でした。
佐賀県の保険料率は「10.73%」です。
2位の「北海道」が「10.41%」なので、その差は「0.32%」もあります。
佐賀県の保険料は、全国でも図抜けて高いことが分かります。
- 佐賀県 10.73%
- 北海道 10.41%
- 香川県 10.34%
- 熊本県 10.33%
- 福岡県 10.32%
- 高知県 10.30%
- 徳島県 10.28%
- 秋田県 10.25%
- 鹿児島県 10.25%
- 大阪府 10.22%
- 長崎県 10.22%
保険料が安い県
では、「保険料が安い県」はどこでしょう。
一番安い県は「新潟県」でした。
新潟県の保険料率は「9.58%」です。
保険料が一番高い「佐賀県」に比べると、1%以上も安いのです。
- 新潟県 9.58%
- 富山県 9.59%
- 長野県 9.70%
- 福島県 9.71%
- 静岡県 9.73%
- 千葉県 9.75%
- 岩手県 9.77%
- 茨城県 9.77%
- 群馬県 9.77%
- 三重県 9.77%
保険料が上がった県
今年度、保険料が一番上がった県は「熊本県」でした。
昨年度に比べて、「0.15%」も上がり、「10.33%」となりました。
この値上がりで、「熊本県」は、保険料が全国で4番目に高い県となりました。
他にも「秋田県」と「北海道」は、保険料率の上げ幅が大きく、負担が重くなりました。
- 熊本県 10.33% 0.15%
- 秋田県 10.25% 0.11%
- 北海道 10.41% 0.10%
- 鹿児島県 10.25% 0.09%
- 高知県 10.30% 0.09%
- 福岡県 10.32% 0.08%
- 福井県 9.95% 0.07%
- 奈良県 10.14% 0.07%
- 岐阜県 9.92% 0.06%
- 愛媛県 10.07% 0.05%
保険料が下がった県
逆に、保険料が下がった県は「三重県」でした。
昨年度より「0.13%」も下がり、「9.77%」になりました。
この値下げによって、三重県は、全国で7番目に保険料が安い県になりました。
- 三重県 9.77% -0.13%
- 富山県 9.59% -0.12%
- 宮崎県 9.91% -0.11%
- 山梨県 9.81% -0.09%
- 滋賀県 9.79% -0.08%
- 茨城県 9.77% -0.07%
- 群馬県 9.77% -0.07%
- 千葉県 9.75% -0.06%
- 新潟県 9.58% -0.05%
- 岡山県 10.17% -0.05%
保険料が高い県は、ますます高くなる
47都道府県のうち、今年度に保険料が上がったのは「24県」で、下がったのは「23県」でした。
保険料が上がるか下がるかは、ちょうど半分ぐらいの割合です。
しかし、単純に上げ下げが分かれているわけではありません。
昨年度の保険料率を見ると、「10%」を上回っていた県は、保険料率を上げたところが多く、「10%」を切っていた県は、保険料率を下げたところが多くなっています。
つまり、保険料率が高い県は、ますます高くなり、保険料率が低い県は、ますます下がっているわけです。
保険料率が一番低い「新潟県」の保険料率は9.58%まで下がり、保険料が一番高い「佐賀県」の10.73%とは、「1.15%」も差ができました。
健康保険料率の目安は10%ですから、1%以上の差は見過ごしにできません。
さらに、サラリーマンの健康保険料は、雇っている会社と社員が折半しています。
つまり、保険料率が高いと、個人だけではなく、会社の負担も大きくなります。
多くの従業員を雇っている会社にとって、健康保険の保険料率は、大きな影響があるのです。
下にある一覧で、自分の会社がある県の保険料率が高いのか、低いのか、ぜひ確認してください。
なお、サラリーマンの健康保険には、この記事で取り上げた「協会けんぽ」以外に、大企業が会社やグループ単位で設立する健康保険組合があります。
これは、「組合健保」と呼ばれますが、保険料率は10%よりも低く設定されるのが一般的です。
組合健保の保険料については、それぞれの健康保険組合のホームページなどで確認してください。
付録:2019年度の健康保険料(保険料率順)
末尾の数字は、前年度との差分です。
- 佐賀県 10.73% -0.02%
- 北海道 10.41% 0.10%
- 香川県 10.34% 0.03%
- 熊本県 10.33% 0.15%
- 福岡県 10.32% 0.08%
- 高知県 10.30% 0.09%
- 徳島県 10.28% -0.02%
- 鹿児島県 10.25% 0.09%
- 秋田県 10.25% 0.11%
- 長崎県 10.22% -0.02%
- 大阪府 10.22% 0.03%
- 山口県 10.20% -0.01%
- 岡山県 10.17% -0.05%
- 大分県 10.17% -0.04%
- 島根県 10.15% 0.02%
- 和歌山県 10.14% -0.01%
- 兵庫県 10.14% 0.00%
- 奈良県 10.14% 0.07%
- 愛媛県 10.07% 0.05%
- 宮城県 10.06% -0.04%
- 山形県 10.05% 0.02%
- 京都府 10.03% 0.00%
- 広島県 10.01% 0.01%
- 石川県 10.01% 0.02%
- 鳥取県 9.99% -0.01%
- 沖縄県 9.97% 0.02%
- 福井県 9.95% 0.07%
- 神奈川県 9.93% 0.02%
- 岐阜県 9.92% 0.06%
- 宮崎県 9.91% -0.11%
- 栃木県 9.88% -0.04%
- 愛知県 9.88% -0.02%
- 青森県 9.88% 0.01%
- 東京都 9.87% -0.03%
- 山梨県 9.81% -0.09%
- 埼玉県 9.81% 0.02%
- 滋賀県 9.79% -0.08%
- 三重県 9.77% -0.13%
- 茨城県 9.77% -0.07%
- 群馬県 9.77% -0.07%
- 岩手県 9.77% -0.03%
- 千葉県 9.75% -0.06%
- 静岡県 9.73% -0.02%
- 福島県 9.71% -0.03%
- 長野県 9.70% 0.01%
- 富山県 9.59% -0.12%
- 新潟県 9.58% -0.05%