異業種に転職する利点も欠点も「知識やスキルを磨く必要がある」こと
[2020/2/14 00:00]
異業種への転職を経験した人へのアンケート
人材会社のエン・ジャパンが、「異業種転職」についてのアンケート結果を公開しています。
2019年11月から12月にかけて行なわれたインターネット調査には、転職サイトを利用している35歳以上の1,808人が回答しています。
回答者のうち異業種転職の経験者は「54%」でした。
利点は、未知の分野への知識が得られること
異業種転職の経験者に「異業種転職して良かったこと」を聞いています。
上位3つは、次の通りでした。
- 知識やスキルを磨けた
- 仕事の幅が広がった
- 年収水準が上がった
異業種転職して良かった点について、具体的なエピソードが寄せられています。
- 一から覚える事がたくさんあり、極めて集中して仕事に取り組めた。(40代男性)
- ITから医療機器、製薬へと転職を経験。職種は同じで引き続き評価されましたが、業界知識や仕事の幅が広がり、より上位職に近い思考が可能になった。(40代男性)
- 異業種未経験を受け入れている企業では、研修制度が充実していたり、先輩社員も異業種転職の経験をしていることもあり、とても丁寧に教えていただきました。(40代女性)
エピソードを見ると、異業種転職にあたっては、未知のことに対する前向きな姿勢が大切であることが分かります。
また、異業種転職を受け入れる側の体制がしっかりしていると、苦労が少なくてすむことが分かります。
異業種転職ならではの苦労もある
一方、「異業種転職をして苦労したこと」の上位3つは、次の通りです。
- 異なる習慣/風土になじむこと
- 新しい知識/スキルを身につけること
- 実績のない中でイチから信頼を積むこと
こちらも具体的なエピソードを紹介しましょう。
- 苦労とは思っていないが、常に自分から学ぶ姿勢でないと取り残される。(30代男性)
- 未経験の分野であるため、業界の常識に馴染むには時間と労力が必要だった。(40代男性)
- マニュアルも参考資料も無く、自分で失敗しながら覚えるしか無かった。(50代男性)
やはり、未知の分野に立ち向かうには努力が必要であることが分かります。
また、異業種転職に慣れていない会社でサポートが弱いと、転職者の苦労が増すことが分かります。
分野が違っても基礎力は生きる
最後に、「前職で培った能力やスキルで異業種転職後に役立ったもの」を聞いています。
上位3つは次の通りでした。
- 情報収集/分析など現状把握力
- 予期せぬ状況への対応力
- スケジュール管理など課題の遂行力
3つのどれをとっても、会社員として活動する上で基礎となる力です。
そのような能力は、働く業種が変わっても、そのまま役に立つことが分かります。
転職先がこれまでの仕事ことなった業種の場合は、働く上で重要な基礎力に磨きをかける必要があるのです。