自分が認知症になったときの最大の不安は「家族の負担」
認知症についての聞き取り調査
内閣府が「認知症に関する世論調査」の結果を公開しています。
2019年12月に行なわれた面接調査には、全国の男女1,632人が回答しています。
接する機会があったのは6割
まず、「今までに認知症の人と接したことがあるか」と聞いています。
認知症の人と接した経験がある人は、全体の6割でした。
接した経験がない人も、4割弱います。
見たことがある認知症の人は「家族」と「親戚」
接した経験がある認知症の人で一番多いのは「家族」でした。
そして、「親戚」「近所の人」が続きます。
「街中(まちなか)でたまたま見かけたことがある」人も2割ほどいます。
認知症になったら、どう暮らしたいか
「自分が認知症になったら、どのように暮らしたいと思うか」と聞いています。
一番多い回答は、「認知症になっても、医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」でした。
ほとんど差がなく、「認知症になると、周りの人に迷惑をかけてしまうので、介護施設で必要なサポートを利用しながら暮らしたい」が続きます。
自宅でいままで通り暮らしたいと思っている一方で、周囲の人の迷惑をかけてしまうことを恐れて施設への入所を考える人も多いことが分かります。
最大の不安は「家族の負担」
「自分が認知症になったとしたら、どのようなことに不安を感じると思うか」を聞いています。
一番多い回答は、「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」でした。
まず、家族への負担を心配してしまうのです。
そして、「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」が続きます。
周囲の人に迷惑をかけたくないという気持ちが、認知症になることへの不安を掻き立てるのです。
家族が認知症になったときの不安は「ストレス」
一方、「家族が認知症になったとしたら、どのようなことに不安を感じると思うか」と聞いています。
一番多い回答は、「ストレスや精神的負担が大きいのではないか」でした。
認知症になった家族と接することによるストレスが最大の不安なのです。
そして、「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」が続きます。
ここでも、周りの人への迷惑を心配していることが分かります。
「精神的な負担」と「迷惑」が不安の原因
調査結果では、自分が認知症になったときの不安は「家族の負担」、家族が認知症になったときの不安は「ストレス」でした。
立場は異なっていても、認知症の人と接することによる精神的な負担を恐れています。
また、周囲の人に迷惑をかけたくないという気持ちが強いことが分かりました。
残念なことに、現時点では、絶対に認知症にならないという方法はありません。
自分、そして家族が認知症になったら、どのように対応するのか、方針だけでも検討しておきましょう。