2019年の転職者数が過去最多。年間で「351万人」が転職

[2020/2/23 00:00]

過去最多の転職者数

総務省統計局によれば、2019年の転職者数は351万人で、比較可能な2002年以降で過去最多となりました。

女性の転職者は186万人で、男性の165万人を上回っています。

出典:総務省統計局

転職理由は「より良い仕事を探すため」

転職理由で一番多いのは「より良い条件の仕事を探すため」です。

一方、事業不振や先行き不安などの「会社都合」は減少が続いており、「定年または雇用関係の終了」を下回りました。

やむを得えない理由で転職するのではなく、より良い収入やキャリアのために転職をする人が主流となっています。

出典:総務省統計局

同じ雇用形態で転職する人が多い

転職の内容を雇用形態別に見ると、「非正規雇用→非正規雇用」が一番多く、40%を占めています。

次に多いのが「正規雇用→正規雇用」で24%でした。

つまり、転職にあたっては、同じ雇用形態で職を探している人が多いのです。

出典:総務省統計局のデータを基に編集部が作成

非正規雇用から正規雇用へ転職した人は多い

雇用形態が変わる転職では、「正規雇用→非正規雇用」の方が、「非正規雇用→正規雇用」よりも多くなっています。

これは、60歳の定年前後で、正規雇用から非正規雇用へ変わる人が多いことが影響しています。

「15歳~54歳」の現役世代に絞って見ると「非正規雇用→正規雇用」の方が多く、非正規雇用であっても正規雇用の職に転職できる可能性は少なくありません。

この傾向は、ここ8年間続いています。

現在は非正規雇用から正規雇用へと、変わりやすい時期なのです。

出典:総務省統計局

転職市場は若い世代が中心

転職する人が増えているという話を聞くと、「自分は今の会社でこんな仕事をしていて良いのだろうか」と考える人もいるでしょう。

現在は転職情報を提供するWebサイトやアプリも多く、転職への敷居が低くなっています。

しかし、実際に転職をした人の年代を見ると、転職者数が多いのは「15~24歳」と「25~34歳」が多くなっています。

つまり、転職先が求めているのは、年齢も含めて、ある一定の条件に合った人なのです。

「55~64歳」や「65歳以上」の割合も以前よりも増えていますが、若い世代に比べると、実数は多くありません。

いくら転職が多くなったと言っても、誰でも転職できるわけではありませんし、すべての人が理想の職場に巡り会えるわけではありません。

転職を検討する際には、自分の年齢や経歴も含めて、冷静な判断が必要なのです。

出典:総務省統計局
[シニアガイド編集部]