テレワークをしている人の6割が、紙の書類やハンコが必要でやむを得ず出社している
テレワーク経験者へのアンケート
アドビ システムズが、「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査」の結果を公開しています。
2020年2月に行なわれたインターネット調査には、都内に勤務していて、過去3カ月以内にテレワークをしたことがある社会人500人が回答しています。
テレワークにより生産性が向上
最初に「テレワークを実施して、自身の生産性は上がったと思うか」と聞いています。
8割以上の人が「生産性が上がった」と答えています。
テレワークで感じる課題
しかし、テレワークには課題もあります。
「テレワークを実施して感じた業務上の課題」として、3割以上の人が次の項目を挙げています。
- 会社にある紙の書類を確認できない
- プリンターやスキャナーがない
- 自分以外の仕事の進捗が把握しづらい
「紙の書類」がオフィスに縛り付ける
業務上の課題には、「紙の書類」に関する問題が少なくありません。
そこで、もう少し具体的に「ハンコや書類へのサイン、オフィスに保存してある紙書類を確認するといった、出社しなければ対応できないようなタスクが発生してしまい、出社した経験があるか」と聞いています。
すると、2割以上が「頻繁にある」と回答しています。
「ときどきある」と合わせると、6割以上の方が、書類のためにやむなく出社した経験があります。
過去の書類のファイリングと、決済/承認の方法のオンライン化が進まないと、紙の書類によってオフィスに縛り付けられてしまうことが分かります。
「継続的にテレワークしたい」が9割以上
回答者の9割以上は、「今後も継続的にテレワークを実施していきたい」と回答しており、テレワークという働き方には魅力を感じています。
しかし、過去の書類をオンラインで読めるようにすることや、書類の提出や承認がオンライン化されないと、オフィスに出社する必要が生じます。
今回の新型コロナウイルス感染症に限らず、災害対策や、働き方の多様化などの視点からも、今後は自社のファイリングや決済のシステムの見直しは必須と言えるでしょう。
いつ、どこからでも、書類が確認できることや、書類の決済がオンラインだけで完結することは、テレワークだけではなく、日常的な業務においてもメリットがあるはずです。
テレワークには自己管理能力が必要
なお、テレワークの課題は業務だけではなく、自分自身の仕事のやり方にもあります。
「テレワーク中の心理的/身体的課題」としては、次の項目が挙がっています。
- 同僚とのコミュニケーションの量が減る
- 時間管理が難しい
- つい仕事以外のことをしてしまう
人の目のない自宅で働くには、自己管理の能力も必要です。
アンケート結果を見ていくと、テレワークで働きやすい状況を作るためには、業務システムと自己管理の両面で、改善すべき課題があることが分かります。
新しい働き方をするためには、やはり、それなりの準備が必要ということなのでしょう。