災害時の避難所で困ったことの筆頭は「トイレ」
避難所を利用した500人へのアンケート
総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが「災害時の避難所に関する調査」の結果を公開しています。
2019年12月に行なわれたインターネット調査は、過去5年以内に避難所に宿泊した経験がある、20歳から69歳の男女500人を対象としています。
原因となった災害の1位は「台風」
「避難所に宿泊する原因になった災害」で一番多いのは「台風」でした。
二番目は「豪雨」で、「地震」は三番目になっています。
避難所になっていたのは「学校」と「公民館」
「避難所として使われていた場所」で多いのは「学校」と「公民館」でした。この2つで8割以上を占めています。
「その他」では「ホテル」「自動車」「会社」などが挙がっています。
困ったことの筆頭は「トイレ」
「避難所の生活で困ったこと」で、一番多い回答は「トイレ」でした。
トイレ以外では、「プライバシー」と「お風呂」が多くなっています。
「数が少ない」「清潔ではない」など問題が多い
「トイレについて具体的に困ったこと」を聞いています。
一番多かったのは「トイレの数が少ない」でした。
そして「清潔ではない」「女性への配慮がない」「高齢者への配慮がない」が続きます。
トイレが原因で「災害関連死」も
調査の結果について、災害支援トイレネットワーク「みんな元気になるトイレ」発起人の石川淳哉氏は、次のようにコメントしています。
地震や水害の直接被害で亡くなることを「災害死」と言います。それに対して、一度は助かった命ですが、避難所や復旧・復興の最中で体調を崩し亡くなってしまうことを「災害関連死」と言います。
内閣府によると、熊本地震の時の「災害死」は50名だったのに対し「災害関連死」は220名にも及んだと発表されています。
このことに全国の災害対策の専門家や自治体やメディアが驚愕しました。せっかく助かった命が、その後の対応次第でこのような結果になってしまうことに対してです。
この「災害関連死」にトイレも密接な繋がりがあります。トイレが汚い、狭い、音が気になると避難者はトイレに行く回数を極力少なくしたい心理が働きます。
そのため水や食事の摂取を我慢してしまい体調を崩すことにつながります。季節によってはトイレが感染症の原因になったりすることもあります。
暗がりで犯罪の温床になることもあるのです。 避難生活を送った方々は、そのようなことを実体験から感じ取ったのだと思います。
トイレを整備することは大変重要です。日本中に清潔で安全で明るいトイレを配備することは喫緊の課題だと思っています。