できれば早くリタイアしたいが、60代のうちは働かざるを得ないと思っている
20代から40代に聞いたお金の調査
貸金業のSMBCコンシューマーファイナンスが、「金銭感覚についての意識調査」の結果を公開しています。
2019年12月に行なわれたインターネット調査には、20歳~49歳の男女2,000人が回答しています。
この記事では、定年前後の働き方と、老後の資金についての回答を紹介しましょう。
早くリタイアしたいけれど、長く働かざるを得ない
回答者のうち、パートやアルバイトを除いた有職者に、「将来、何歳まで働こうと思っているか」を聞いています。
20代で一番多いのは、「50歳~60歳」でした。
20代では、一般的な定年である「60歳」を待たずに、50代にリタイアを目指す人が多いことが分かります。
しかし、30代と40代では「60歳~65歳」が一番多く、60歳を過ぎても働きたいという人が多くなります。
一方、「将来、何歳まで働く必要があると思うか」と聞くと、「60歳~65歳」と「65歳~70歳」が多く、60代の間は働く必要があると思っている人が主流です。
どの年代でも、「働こうと思っている年齢」よりも、「働く必要があると思っている年齢」の方が高く、自分の希望よりも長く働かなければならないと覚悟していることが分かります。
必要と思う貯金は「500万円~2千万円」
では、どれぐらい財産があったら、リタイアできるのでしょうか。
「仕事をリタイアする年齢までに、貯金がいくらあれば安心できるか」を聞いています。
20代では「500万円~1千万円」が、30代と40代では「1千万円~2千万円」が多くなっています。
どの年代でも、4割の人は「2千万円以上が必要」としていて、かなり大きい金額を用意しなければならないという気持ちがうかがえます。
貯金がないか、あっても50万円の人が多い
一方、「現在の貯金額」を見ると、すべての年代で「50万円以下」が一番多く、貯金ができていないことが分かります。
さらに、「50万円以下」の次に多いが「0(ゼロ)円」でした。
どの年代でも、半分近くの人は「貯金がないか、あっても50万円」なのです。
早くリタイアしたいなら早めに貯金を
今回のアンケートでは、次の2つのことが分かりました。
- 「働こうと思っている年齢」よりも、「働く必要があると思っている年齢」の方が高い
- リタイアするまでに「500万円~2千万円」は貯金したいと思っているが、現時点では「貯金がない」か、あっても「50万円以下」しかない人が多い
特に、現在の貯金額を見ると、30代と40代では、ほとんど差がありません。
つまり、稼ぎ時である30代から40代にかけて、貯金が増えていない状況がうかがえます。
この年代は、支出も多いので、貯金に回せないのでしょう。
そのため、「できれば早くリタイアしたい」と思っていても、「実際には定年を過ぎても働かざるを得ないだろう」と覚悟しているのです。
早い時期にリタイアすることを考えるのであれば、働き盛りのうちに、貯金を増やすことを考えてください。