新型コロナウイルスが葬儀に与えた影響
葬儀社に聞いた新型コロナウイルスの影響
終活関連サービスを提供する鎌倉新書が、「新型コロナウイルス感染拡大が葬儀に与える影響」のアンケート結果を公開しています。
2020年3月に行なわれたインターネット調査には、鎌倉新書が運営する葬儀依頼サイト「いい葬儀」と提携している葬儀社128社が回答しています。
葬儀の規模を縮小
国や自治体は、新型コロナウイルス対策として、多人数の集会を避けるように呼びかけており、葬儀も例外ではありません。
葬儀社の9割が新型コロナウイルスにより「参列者は減少した、または今後減少していく」と回答しています。
参列者が増えることを避けるために、遺族が「家族葬」を選択するケースも報告されています。
さらに「葬儀は通常通り行なったが、法要が中止になった」「通夜振る舞い(参列者への酒食の接待)を控えたいといった相談を受けた」という例もありました。
今後についても、「感染拡大の終息が見込まれない限り、親族を含む参列者の減少が進むと思う」「ご高齢の方は会葬を見合わせるかもしれない」という意見がありました。
スタッフにはマスクなどを「義務付けている」
新型コロナウイルスの感染予防策としては、「マスクの着用」「アルコールによる手の消毒」「手洗い/うがい」などが挙げられます。
葬儀を担当するスタッフに対しては、これらの予防策を「義務付けている」ところが多く、少なくとも「推奨している」状態です。
スタッフは、返礼品の受け渡しなど、参列者と濃厚な接触の機会があるため、感染の予防に万全を期す必要があるのです。
喪主や遺族に対しても「推奨している」
葬儀を執り行う喪主や遺族に対しては、さすがにマスクなどの予防策を義務付けているところは多くありません。
しかし、7割の葬儀社は、マスクなどを「推奨している」と答えています。
また、葬儀の参列者に対しても、「推奨している」葬儀社が7割近くいます。
特に「消毒液などの使用」を推奨している割合が高く、会場の入口などで、手のアルコール消毒を要請している様子がうかがえます。
マスクなどの入手が次の課題
今回のアンケートにより、新型コロナウイルスの影響で、「葬儀の規模の縮小」「葬儀スタッフの感染予防策の義務付け」「喪主や遺族、参列者への感染予防策の推奨」などが進んでいることが分かりました。
しかし、一部の葬儀社からは、「現状は対応しているが、マスクや消毒液が入手困難のため、今後は対応が難しくなる可能性もある」という声もあり、いつまで予防策を続けられるかという課題が差し迫っています。