新型コロナ対策で、1カ月以上も在宅勤務した1,960人へのアンケート
1カ月経過した在宅勤務の現状
GMOインターネットグループ(以下、GMO)が、在宅勤務中の従業員へのアンケート結果を公開しています。
GMOは、1月27日から、全社員が在宅勤務体制となっており、1カ月以上が経過した現在も継続しています。
2020年3月に行なわれたインターネット調査には、GMOの従業員1,960人が回答しています。
「通信環境」と「光熱費」が課題
「在宅勤務の課題」で、一番多いのは「通信環境」でした。
具体的には「通信速度が遅い」「会議ソフトのZoomの利用制限」が挙がっています。
「会議ソフトのZoomの利用制限」は、無料版のZoomを3人以上で利用していると、利用時間が制限されることを指しているのでしょう。
次に多いのが「自宅環境」です。
こちらは「光熱費がかかる」「家族への配慮」などが挙がっています。
分野別の課題で多かった回答
- 通信環境
通信速度が遅い、Zoomの利用制限、イントラネットが見られない - 自宅環境
光熱費がかかる、家族への配慮、機器類の未整備 - 体調
腰痛など身体的な負担、運動不足、精神的な負担 - 出社関係
業務上出社が必要、在宅では郵送/捺印ができない - 業務関係
業務効率が低下、時間の管理が難しい - 意思疎通
同僚や他部署との意思疎通が難しい
会議ソフトが活躍
「在宅勤務において良かった事例やツール」を挙げています。
分野別では、「ソフトウェア」が多く、会議ソフトやチャットソフトなど、各種のコミュニケーションツールの名前が挙がっています。
よく使われている「Zoom」に対しては、名前の設定方法、動画共有の確認方法など、実際に使わなければ分からない指摘もありました。
会議ソフトを始めとするツール類も、みんなが使わざるをえなくなったことで、使い方が洗練されていく様子が分かります。
また、「業務ルール」として、会議のルール設定やペーパーレス化などが挙がっています。
具体的に名前が挙がっているソフトウェア
購入したのはヘッドセットや机
「在宅勤務のために購入したもの」を聞いています。
分野別では「PC関係」が多く、ヘッドセットやモニター(ディスプレイ)などのパソコン周辺機器が挙がっています。
次に多いのが「生活関係」で、在宅することによって増える光熱費や、食費が挙がっています。
また、「業務環境関係」として、机や椅子、クッション、空気清浄機などが挙がっています。
在宅で仕事をしようとしても、机や椅子がなかった人も多いのでしょう。また、作業が長時間に渡るので、クッションを購入した人も多いようです。
在宅勤務の制度化と光熱費の負担を希望
最後に「会社に対する要望」を聞いています。
一番多いのは、「在宅勤務を制度化して欲しい」でした。
新型コロナウイルスの問題が終息したあとも、在宅勤務を続けたいと思う人が多いのです。
また、「光熱費を含めた生活費用の増加を会社で負担してほしい」「在宅勤務手当を導入してほしい」など、経済的な負担を求める人も少なくありません。
実際に使った経験が働き方を変える
今回のアンケートでは、在宅勤務に対して、「自由時間が増えた」「作業効率が向上した」「通勤ストレスがなくなった」などのメリットが挙げられ、肯定的に受け止めている人が多いようです。
一方で、「腰痛などの身体的な負担」「ストレスの蓄積」「運動不足」など、体調面でのデメリットも報告されています。
GMOインターネットグループの在宅勤務は、新型コロナウイルス対策のために、全社的に一斉に導入されました。
それだけに、やってみなければ分からなかったメリットとデメリットが分かったことが、今後の財産となるでしょう。
今回は仕方なく開始された在宅勤務も、実際に利用してノウハウが蓄積されることで、今後の働き方自体を変えていくきっかけとなるでしょう。