「テレワーク」などの、新型コロナウイルス対策を行なっている企業は「3割」
2万人の正社員に聞いたテレワークの状況
シンクタンクのパーソル総合研究所が、「新型コロナによるテレワークへの影響」の調査結果を公開してます。
2020年3月9日~15日に行なわれたインターネット調査には、全国の正社員の男女21,448人が回答しています。
テレワークを実施している人は「13.2%」
新型コロナウイルス対策として、「テレワーク(在宅勤務)」を“推奨”や“命令”している企業の割合は「22.1%」でした。
だいたい、5社に1社の割合です。
なお、実際にテレワークを行なっている人は、さらに少なく、「13.2%」に留まっています。
また、テレワークをしていない人に、その理由を聞くと、「テレワーク制度が整備されていない」と「テレワークで行える業務ではない」が多くなっています。
「時差出勤」を推奨している企業は「3割」
テレワーク以外の新型コロナウイルス対策についても聞いています。
企業が、出社時間や勤務時間をずらす「時差出勤」を“推奨”や“命令”している割合は「29.4%」でした。
「時差出勤」は、満員電車での通勤を避けられるという利点があるのですが、あまり取り入れられていません。
時差出勤を指示している割合は、テレワークよりも少し多いのですが、それでも30%に届きません。
「時差出勤を命じられている」企業に限ると、4.4%に留まっています。
「対面での会議」を制限している企業も「3割」
新型コロナウイルスによるクラスター(集団感染)が起こりやすい条件として、次の3つが挙げられています。
- 換気が悪い
- 多くの人が密集している
- 近距離での会話や発声が行なわれる
そして、オフィスで行なわれる「対面での会議」は、この3つの条件を満たしています。
しかし、「対面での会議」を“禁止”したり“実施しないことを推奨”している企業の割合は「32.2%」に留まります。
複数の人が狭い会議室に集まる「対面での会議」は、クラスターの温床となりかねないだけに、“実施しないことを推奨”すべきでしょう。
新型コロナウイルス対策で見える企業の姿勢
新型コロナウイルス対策として、企業が行ないやすい「テレワーク」「時差出勤」「対面での会議の禁止」の3つについて実施率を見てきました。
いずれの対策も、実施されている割合は3割前後に留まっています。
逆に言えば、残りの7割の企業は、新型コロナウイルス対策を積極的に行なっていません。
企業の規模や、経営者の方針によって、新型コロナウイルス対策への積極さに差があることが分かります。
現在の状況で、社員の中から新型コロナウイルスの感染者が出てしまったら、従業員の健康管理だけでなく、会社全体の評判にも影響します。営業面での悪影響も避けられないでしょう。
逆に言えば、そういう状況を理解して、新型コロナウイルス対策を行なっているかどうかで、その企業の姿勢が分かります。
自分の勤めている企業や、取引先の企業がどのような対策を行なっているのかを見ることで、その企業の体質や本音が分かるのです。