社員の副業を許している企業は3割。許す理由は「社員の収入が増えるから」
企業から見た「社員の副業」
人材ビジネス会社のリクルートキャリアが、「兼業・副業に対する企業の意識調査」の結果を公開しています。
2019年9月に行なわれたインターネット調査には、全国の人事関係者3,514人が回答しています。
副業を許している企業は3割
社員への兼業や副業について認めている企業は「30.9%」でした。
副業を許している企業は、全体の3割しかありません。
副業を許している場合でも、「推進」している企業は5%以下で、「容認」に留まっている企業が多数派です。
副業を許す理由は「社員の収入増」
社員の兼業や副業を許している理由や背景を聞いています。
一番多いのは「社員の収入増につながるため」でした。
こういう企業は、ほかに収入を求めなければならないほど、本業の給与が安いと自覚しているのかと邪推したくなります。
そして、「特に禁止する理由がないから」が、ほぼ並んでいます。
つまり、副業をしたいという希望があったから受け入れるという、消極的な立場です。
それでも、前年に比べると、「人材育成・本人のスキル向上につながるため」や「社員の離職防止(定着率の向上、継続雇用)につながるため」など、副業を積極的に評価する意見も増えてはいます。
申請や許可がいる企業が多い
社員が副業を行なう際のルールを聞いています。
一番多いのは「申請して、許可を得る必要がある」でした。
次に多いのが「申請する必要がある(許可は不要)」です。
申請をさせることで、社員がどんな副業を行なっているのか把握しておきたいという、企業の意図が強く感じられます。
しかし、三番目に多い「人事部や上司、産業医と事前に面談する必要がある」まで行くと、副業をしたいと言い出す勇気がある社員は多くないでしょう。
本業に良い影響があるという企業は3割
最後に「兼業や副業をした社員が、その経験を本業に還元できているか」と聞いています。
還元できていると評価しているのは34%に留まりました。
ただし、「いまのところできていないと思うが期待している」と合わせると70%を越えます。
現状では、社員が副業をしても、それが本業に良い影響を与えているとは思っていないが、期待していないわけでないという、見守るような立場の企業が主流のようです。
この回答に表れているように、積極的に社員に副業を勧めている企業は少数に留まっています。
副業をしようと思ったときには、このような会社側の姿勢を忘れてはいけません。
まず、就業規則を調べてから、慎重に行動してください。