定年後に働くなら「社員」で雇われたいが、できたら「再雇用制度」は避けたい
[2020/3/29 00:00]
定年後のキャリアに関するアンケート
人材採用会社のエン・ジャパンが、定年後のキャリアについてのアンケートの結果を公開しています。
2020年1月から3月にかけて行なわれたインターネット調査には、35歳以上の「ミドルの転職」サイトのユーザー2,460人が回答しています。
ほとんどの人が定年後の働き方を考えたことがある
定年後の自分のキャリアについて考えたことがある人は、全体の92%でした。
ほぼ、すべての人が、定年後のセカンドキャリアについて、考えていることが分かります。
働くなら「社員」で働きたい
定年後に希望する働き方で、一番多いのは「正社員/契約社員として、企業に所属して働く」でした。
次に多いのは「フリーランスで働く」と「起業する」ですが、社員として働くことを希望する人の半分ほどに留まっています。
再雇用制度を利用したい人は3割
現在の会社に定年後の再雇用制度がある人に、「その制度を利用して働き続けたいと思うか」と聞いています。
すると、「働きたいと思う」と回答した方は32%に留まりました。
定年後は、どこかの会社に所属して働くことを希望していても、現在の会社で働き続けることにはためらいがあるようです。
その理由を聞くと、次のような回答でした。
- 同じ顔ぶれで、上下関係が逆になるのはお互いにやりにくいと思うため。(40代男性)
- 成果物に非常に厳しい環境のため、シニアとして勤務するには不安がある。(50代女性)
キャリア選択で重視する3つの要素
定年後のキャリアを選ぶうえで重視することの上位3つは、次の通りでした。
- 生きがい/やりがいを感じられるか
- これまでの経験/キャリアが活かせるか
- 収入
上位2つには、それぞれ、次のようなコメントが寄せられています。
生きがい/やりがいを感じられるか
- 子供が自立するまではお金がかかるので。その後は生きがいのためにずっと働いていたい。(40代女性)
- セカンドキャリアでは出来なかった事に挑戦したいので、自分の生きがいとなるようなことがしたい。(30代男性)
これまでの経験/キャリアが活かせるか
- これまでの経験から得た知識を、「若い世代へ還元したい」「人材育成したい」と考えるようになったため。(40代男性)
- 全くの畑違いの環境で働くイメージができないため。(40代女性)
しかし、寄せられたコメントが辛口だったのは、やはり「収入」に関するものでした。
- 年金制度、高齢化の中、自身の今後の収入面に大いに不安があるため。(30代男性)
- 住宅ローンの返済を考えると、やはり「収入」です。(50代男性)
- きちんとした生活基盤を築くためにある程度の収入は必要。(40代男性)
定年後に、「生きがい/やりがい」や「経験/キャリアの活用」を目指す職業選択をするためには、その前に、「収入」という問題を解決しておく必要があることが分かります。
定年前にお金の問題を解決していないと、「再雇用制度」だろうが何だろうが選ぶ余地なく、働き続けなければならないのですから。