「社員は在宅、派遣は出社」など新型コロナで分かった非正規雇用の悲哀
非正規雇用者へのアンケート
人材派遣事業のレソリューションが、非正規雇用者への新型コロナウイルスの影響についてのアンケート結果を公開しています。
非正規雇用とは、正社員以外のパートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員などの働き方を指す用語です。
2020年3月18日に行なわれたインターネット調査には、20代~40代の非正規雇用で働く男女1,154人が回答しています。
「製造」を始め、さまざまな業種で働いている
非正規雇用で働いている人の業種を聞いています。
「製造」「卸売/小売」「宿泊/飲食サービス」の3つが多く、いずれも新型コロナウイルスの影響が多い分野です。
この3つ以外にも、幅広い業種で働いていることが分かります。
社員は在宅、派遣は出社の例も
「勤務先が新型コロナウイルスの影響を受けている」と回答した人は、ほぼ半数でした。
コメントでは、「具体的な影響」の内容が寄せられています。
- 社員だけが在宅勤務になり、派遣だけが出勤している(40代女性)
- 給料が下がった!(40代男性)
- 施設の閉鎖により、仕事が激減した(40代男性)
- 職場が長期間休止していて自宅待機。給料が出ないので単発バイトを探すもあまり無い(30代女性)
これを見ると、働き方や給与などで、正規雇用と非正規雇用の待遇に差が生じていることが分かります。
業績が下がったら、真っ先にクビ
「将来の働き方に関して不安はあるか」と聞いています。
「非常に不安」が3割、「不安」が4割を超えており、回答者の8割近くが「将来に対する不安」を訴えています。
新型コロナウイルスによる悪影響が大きい時期だけに、非正規雇用という働き方の将来に不安を感じている様子が分かります。
コメントでは、不安の内容が具体的に書かれています。
- 業績が下がったら、正社員ではない自分が首を切られる(40代女性)
- これからの生活を考えると余裕がない(30代男性)
- いつまで仕事が出来るのか、働かせてくれる所があるのか(40代女性)
- 死ぬまで働き続けないと生活できそうにないが、身体的にきつくなりそう(30代女性)
「働き続けなければならない」という、労働者に共通の不安もありますが、「クビになりやすいのではないか」という非正規雇用ならではの不安も感じています。
会社の業績が悪いときほど、正規雇用と非正規雇用の違いを意識させられる場面が増えてきます。
新型コロナウイルス感染症の流行によって、いままで隠れていた非正規雇用の弱点が明らかになったと言えるでしょう。