500社に聞いた「新型コロナウイルスへの対応策」

[2020/4/5 00:00]

企業に聞いた「新型コロナウイルスへの対応」

人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」が、「新型コロナウイルスへの対応」へのアンケート結果を公開しています。

2020年3月25日から30日にかけて行なわれたインターネット調査には、542社の企業が回答しています。

86%が「対応済み」

「新型コロナウイルスへの対応状況」では、86%が「既に対応している」と回答しています。

ほとんどの企業では、新型コロナウイルスへの対応が進んでいることが分かります。

出典:エン・ジャパンのデータをもとに編集部が作成

具体的な対応策ベスト5

新型コロナウイルスに対する具体的な対応の内容を聞いています。

上位5つは、次の通りでした。

  • 手洗い、うがい、消毒の社内啓蒙
  • 社員へのマスク配布や、アルコール消毒の設置
  • 発熱がある社員の出勤自粛、自宅待機、休業指示
  • 社員が大勢集まる会議やイベントの禁止
  • 社員の時差通勤(オフピーク通勤)の開始

なお、「社員のリモートワーク・在宅勤務の開始」を行なっている企業は30%にとどまっています。

やはり、業務内容や設備などの問題で、すべての仕事をテレワークにすることは難しいのでしょう。

出典:エン・ジャパン

将来への懸念と不安

「新型コロナウイルスについて、懸念していることや不安なこと」を聞いています。

すでに経済的な影響が出始めているため、業績の悪化を懸念する声が大きいようです。

今後、新型コロナウイルスの感染が続き、自粛が長期化するにつれて経済的な影響が最大の課題となるでしょう。

また、社員の健康状態や、社員が感染した場合の対応を心配する声も上がっています。

ここからは、実際のコメントを紹介します。

業績への影響などの懸念

  • 取引先が中国に依存している割合が多く、売上も大きく減少している。回復のめどがつかない事が一番懸念される。(メーカー/50~99名)
  • どんどんイベントがなくなっています。(もしくは、開催されても無観客…など)警備業なので、仕事は大幅に減りました。今年の売上は、昨年度より1億以上減る見込みです。(警備業/100~299名)

感染症や感染症対策への懸念

  • 経済活動の停止による景気後退が最も恐ろしいです。過度な自粛などはやめていただきたいです。経済が回らなければウイルスよりもはるかに多くの人が死にます。(金融関連/1~49名)
  • 都市封鎖、外出禁止令等が出る事態となれば、供給が受けられないばかりか、輸送、発注を含め業務継続が困難になる。企業体力も危うくなる事態となり得る。(サービス関連/50~99名)

社員感染時の対応、影響への懸念

  • 罹患者が発生した際、濃厚接触者としてどの範囲まで出勤停止等の処置をするべきか、判断に戸惑う。(商社/1~49名)
  • 社員に感染者が出た場合の会社の運営や業績への影響。(商社/100~299名)

社内対応への懸念

  • 一番心配なのは、外出禁止などの措置が取られ、出勤できなくなること。製造業なのでテレワークはほぼ不可能で、企業活動が止まってしまう。その先の影響は予測さえつかない。(メーカー/1~49名)
  • 機密の観点から、テレワークができない社員が多く、どう対応すべきか悩ましいところです。また、発熱者に対して、コロナ検査ができない状況も続いており、どこまで会社指示で休ませるべきか、給与をどこまで保証するのかが明確に定まっておりません。(IT・情報処理・インターネット関連/50~99名)

社員への懸念

  • 公私ともに、人が集まる場所や宴会参加を自粛するよう周知していますが、毎日飲み歩いている中高年社員が多数おります。職場に闘病中の社員もいるため、その社員に罹患させたり、事業所が閉鎖される事を心配しています。(サービス関連/100~299名)
  • 新人社員研修を中止にしたので、その後の社員定着率に影響を及ぼすのではないかという不安があります。(商社/1,000名以上)
[シニアガイド編集部]