新型コロナウイルスの影響で失業した派遣社員が16%もいる
派遣社員千人へのアンケート
ディップ総合研究所が、派遣社員を対象とした「新型コロナウイルスによる仕事への影響調査」の結果を公開しています。
2020年3月に行なわれたインターネット調査には、全国の派遣社員1,000人が回答しています。
失業を経験した人が16%もいる
新型コロナウイルスによる影響で失業した経験がある人は「16%」もいます。
うち、「会社都合(就職先都合)」が10%、「自己都合」が6%でした。
休業やシフトの減少は3人に1人
新型コロナウイルスによって、休業やシフト(勤務日数)に影響が出ている人は「36.5%」でした。
内訳は、「休業した」人が8.6%、「シフトが減った」人が27.9%です。
さらに、シフトが減った人のうち、4人に3人は「給与が減少した」としています。
社員に比べて少ない「テレワーク」と「時差出勤」
新型コロナウイルス対策として推奨されている「テレワーク」ですが、利用している人は「9.0%」に留まりました。
しかも、正社員は「17.9%」が利用しているのに対して、派遣社員の利用率は低くなっています。
もう一つの対策である「時差出勤」についても、利用している人は「13.7%」に留まりました。
こちらも正社員は「21.8%」が利用しているのに対して、派遣社員への適用は少なくなっています。
極限状態では弱い立場の「派遣社員」
調査結果を見ると、派遣社員の多くは、新型コロナウイルスによって仕事への影響を受けていることが分かりました。
すでに、「失業」「シフト(勤務日数)の減少」「収入の減少」などが起きています。
また、新型コロナウイルスへの対策についても、「正社員」と「派遣社員」では対応状況に差があり、正社員に比べて「テレワーク」や「時差出勤」の対象となっている人が少なくなっています。
新型コロナウイルスへの対応という、一種の極限状態においては、派遣社員は弱い立場に置かれがちであることが分かります。