年収が低い人ほど「健康診断」を受けず、「たばこ」を好む

[2020/5/12 00:00]

生活習慣と収入の関係

厚労省が、生活習慣と収入の関係についての調査結果を公開しています。

この調査は定期的に行なわれている「国民健康・栄養調査」の一部で、2019年11月に行なわれた調査には3,268世帯が回答しています。

今回の調査では、世帯あたりの年収を「200万円未満」「200万円以上400万円未満」「400万円万円以上600万円未満」「600万円以上」の4つに分けています。

そして、健康に関係する生活習慣の状況と、年収との関係を分析しています。

この記事では、5つの生活習慣と年収の関係を紹介します。

収入が多いと、たばこを吸わなくなる

最初に、世帯収入と「たばこの喫煙率」の関係をみてみましょう。

男女とも、世帯の年収が高いと、習慣的に喫煙をしている人の割合が下がります。

例えば、世帯収入が「200万円未満」の男性は喫煙率が34.3%もありますが、「600万円以上」では27.3%です。

女性も同様で、「200万円未満」では13.7%ですが、「600万円以上」では6.5%と、半分以下になります。

今回の調査だけでは、年収と喫煙率に相関関係がある理由はわかりませんが、高収入者ほど禁煙への圧力が強いのかもしれません。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

収入が多い男性は、お酒の量が多い

次に「飲酒率」との関係を見てみます。

ここでいう「飲酒率」は、生活習慣病のリスクがある量を飲む人の割合です。

具体的には、男性は日本酒にして1日2合以上、女性は1日1合以上飲む人です。

結果を見ると、「収入が多い男性ほど、お酒を飲む人の割合が高い」ことが分かりました。

意外なことに、高収入の男性ほど、深酒の習慣がある人が多いのです。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

収入が多い人ほど、よく歩く

「1日の歩数の平均値」では、年収が多いほどよく歩くという結果になりました。

全体的には男性の方が女性よりも歩数が多いのですが、「200万円未満」だけ、男性の方が少なくなっています。

低収入の男性は、身体を動かす習慣があまりないのかもしれません。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

収入が少ないと、歯が少ない

虫歯などによって「残っている歯の数が20本ない」人の割合は、年収が多いほど少なくなります。

高収入の人ほど医療費を気にせずに、早い段階で歯科医に通いやすいのかもしれません。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

収入が少ないと健康診断を受けない

最後に、収入と生活習慣との関係が、もっとも明確な項目を紹介しましょう。

それは「健康診断」です。

収入が少ない人ほど、健康診断を受けていません。

世帯収入が「200万円未満」では、男女とも40%以上の人が健康診断を受けていません。

これは「600万円以上」に比べると、ほぼ2倍という高い率です。

理由としては、世帯収入によって、費用の負担感や、仕事の休みやすさなどに差があるのでしょう。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

世帯収入が多い人ほど、健康的な生活習慣を持っている

今回の調査では、世帯収入が多いほど健康的な生活習慣を持っていることが分かりました。

それでも「飲酒率」のように、高収入の人ほど悪い習慣を持っている場合もあります。

誰にとっても、健康的な生活習慣を身につけることは簡単なことではありません。

少しずつでも、自分が持つ、健康に良くない生活習慣を修正するための手段を探して、より健康的な生活を目指しましょう。

[シニアガイド編集部]