人生において、県境を越える“移住”をする年齢は、ほぼ決まっている
県境を越えて引っ越しをした人のデータ
総務省統計局が、2019年の「都道府県間移動者数」を公開しています。
つまり、県境を越えて引っ越しをした人がどれぐらいいるかという統計です。
この発表資料の中に、年齢別の移動者数のデータがありました。
これを見ると、人は人生のどの時期に県境を越えるほど大きな“移住”をするのかが分かります。
県境を超える人がもっとも多いのは「22歳」
年齢別の移動データを見ると、移動者数が最も多い年齢は「22歳」でした。
2位が「24歳」、3位が「23歳」なので、上位3つが22歳から24歳の時期に集中しています。
県境を超える節目となる時期
年齢別の移動データを見ると、いくつか節目となる年齢があることが分かります。
移動が一番多かった「22歳」から「24歳」は大学を卒業する年齢であり、就職をする年齢でもあります。
同じように、特定の年齢が節目となっており、県境を越えて移動する人が多くなります。
- 6歳:小学校の入学
- 12歳:中学校の入学
- 15歳:高校の入学
- 18歳:大学、短大、専門学校の入学
- 20歳:短大、専門学校の卒業
- 22歳:大学の卒業/就職
- 60歳:企業の定年退職
- 65歳:企業の雇用義務期間終了
「進学」「就職」「退職」がチャンス
こうしてみると、県境を越えて住まいを変える“移住”をする時期は、長い人生の中でも限られていることが分かります。
まず、未成年のうちは「進学」がきっかけとなります。
特に大きな節目は「18歳」で、これは高校を卒業し、大学や専門学校へ入学するタイミングです。
そして、成人後は「就職」と「退職」がきっかけとなります。
いったん、「就職」してしまうと、年齢が進むにつれて移動が少なくなりますが、「退職」のタイミングで移動が増えます。
例えば、故郷の実家に戻るとか、転勤による赴任先から自宅へ戻る、定年を期に移住するなどの理由が考えられます。
言い換えれば、自分が生きる環境を大きく変えようとするならば、「進学」や「就職」「退職」がチャンスです。
それ以外の時期は、長く同じ環境にいることに慣れてしまうので、県境を越える“移住”が難しくなるのです。
自らの意思で“移住”を選ぶ機会は、実質的には「退職」が最後のチャンスということになります。
それだけに、定年後をどのような環境で過ごすのか、よく考えて準備をする必要があると言えるでしょう。