新型コロナ対策で、老人介護施設の70%近くが「家族の面会」を断っている
介護施設へのアンケート
老人ホーム検索サイト「LIFULL(ライフル)介護」が、介護施設を対象に「新型コロナウイルスの感染予防対策」のアンケートを行なってます。
2020年4月に行なわれたアンケートには、「LIFULL介護」に掲載されている296件の施設が回答しています。
70%近い施設は家族の面会を断っている
まず、介護施設の入居者と、その家族との面会について聞いています。
「面会は中止している」と回答した施設は70%近くに及びます。
面会できる場合でも、「手指の消毒」「マスク着用」「検温」などを義務付けている施設が大半です。
入居者への対策は「手指の消毒」
次に、介護施設の入居者に対する取り組みを聞いています。
一番多いのは「手指の消毒」で、90%を超えています。
また、「検温」と「手洗い、うがい」も80%を超えています。
アンケート時点でのマスク不足を反映してか「マスクの着用」は50%ほどに留まっています。
職員の対策は「マスクの着用」
介護施設の職員に対する取り組みを聞いています。
一番多いのは「マスクの着用」で、99%を超えています。
また、「手洗い、うがい」「手指などの消毒」「検温」も、ほぼすべての施設で行なわれています。
施設が行なっている工夫の例
介護施設は、抵抗力の弱い高齢者が集団生活をしているので、一度感染が始まると施設内に蔓延してしまいます。
それを避けるためには、入居者と職員のそれぞれに対策が必要です。
また、施設を訪れる面会者も、感染の原因となります。
この時期において面会を中止している施設が多いのも仕方のないことでしょう。
施設内で新型コロナウイルス感染症の患者が増えて「クラスター」の状態になったら、施設を維持継続していくことが困難になります。
そのため、ここまでに挙げた対策以外にも、介護施設ではサービスを継続し続けるための工夫をしています。
最後に、その例を紹介しましょう。
感染を防ぐ工夫
- フロント窓口に透明のフィルムの設置
- 1日数回の換気、共用部や共通で使うものの消毒(アルコール、次亜塩素酸など)
- サーモセンサーの導入で発熱を検知
- マスクを外す際は他の職員と距離を取る
- 出勤人数の調整、時差出勤
- web会議の導入
- 外部業者などの入館を制限し、対応できる箇所は極力職員で対応
- 従業員の家族に消毒液やマスクなどを配布する
- プライベートの外出自粛
継続してサービスを提供できるような工夫
- 職員を2つのグループに分けて就業
- 発症した際のヘルプ要員を自宅待機させる
- 緊急時の対応について、他の施設と共有を行なう
- 新型コロナウイルス感染症対策の研修
これらの対策は、介護施設にとどまらず、一般の事務所などでも有効です。
これから「緊急事態宣言」が解除され、オフィスでの業務を再開するときの参考にしてください。