上場企業による早期退職の募集が増加。すでに昨年1年分と同じ件数に

[2020/6/12 00:00]

10年ぶりのハイペース

企業信用調査会社の東京商工リサーチが、早期退職の募集が増えていると警告を発しています。

東京商工リサーチによれば、今年の上場企業による早期退職の募集は、すでに35社に達しました。

これは、昨年1年間の件数と同じです。

このようなハイペースは、1年間に85社が募集をした2010年以来10年ぶりです。

赤字企業による人材整理として使われている

早期退職の募集を行なった企業を業種別に見ると、アパレル(衣料品)関連が一番多く5社でした。

東京商工リサーチでは、消費税の増税、暖冬、新型コロナウイルスの三重苦の影響としています。

ついで、百貨店やコンビニなどの小売業が続きます。

以下、輸送用機器や電気機器、精密機器などの製造業、旅行業や広告業などのサービス業などが、早期退職の募集が多い業種です。

東京商工リサーチでは、2019年は、業績が良い会社が将来に備えて早期退職を行なう「先行型」が多かったのに対し、2020年2月以降は赤字企業が人員を整理する「従来型」に戻ったとしています。

募集されたらどうするか考えておく

今年後半は、新型コロナウイルスによる休業などの影響が出てくるため、さらに多くの企業が早期退職の募集を行なうでしょう。

高齢期に備えた将来の生活設計において、何歳までどのような仕事をするかということは重要な要素です。

自分の人生のリスクを考えて、自分の会社の経営状況を把握し、早期退職などの人材整理が準備されていないか注意しておきましょう。

また、これを機会に、実際に早期退職の募集が行なわれたら、自分はどのように対応するのか、検討しておくことをお勧めします。

「ウチの会社は大丈夫」「自分だけは大丈夫」と思考停止して不安を抑えるのではなく、万が一の場合にどのように対応するか、少しでも考えておくことが大切です。

[シニアガイド編集部]