東京都の人口が減少。到達したばかりの「1,400万人」を切る
たった1カ月だった「1,400万人台」
東京都の人口が減少し、6月1日の時点で1,400万人を切ったことが分かりました。
東京都によれば、6月1日時点の人口は「1,399万9,568人」でした。
これは前の月に比べて、「3,405人」の減少です。
東京都の人口は、2020年5月1日に初めて1,400万人を超えました。
しかし、5月中の人口減少により、たった1カ月で1,400万人を切ってしまったのです。
転入の減少が一番の原因
人口減少の原因を見てみましょう。
一番多いのは、出生よりも死亡が多い「自然減」で1,498人でした。
ついで、他県からの転入よりも転出が多い「社会減」が1,181人です。
東京都の人口は、少子化による自然減を、他県からの転入によって補う構造になっています。
しかし、新型コロナウイルス対策として、他県からの移動が制限されたことにより、転入が少なくなり、人口減を招いてしまったのです。
新型コロナの影響が人口にも波及
新型コロナウイルス対策によって、東京都への転入が減り、社会減を招いていることは、総務省統計局のレポートによって明らかとなっていました。
しかし、今回の東京都のレポートによって、具体的な数字で判明したことは意義のあることです。
予想されていたこととはいえ、自然増減を含めても、人口が減少していたことも判明しました。
特に、都の総人口が到達したばかりの「1,400万人」を切ったのは、新型コロナウイルスの社会的な影響の大きさを示す象徴と言えるでしょう。
短期的には回復、長期的には社会の変化が影響
では、今後の東京都の人口の動きはどうなるのでしょうか。
国が新型コロナウイルス対策として行なっていた「都道府県をまたぐ移動」の自粛は6月19日で解除されました。
これを受けて、大学の授業再開や、保留していた転勤の実施などが行なわれる見込みです。
これによって、東京へ人口の転入が進み、ふたたび東京都の人口は増え続けるでしょう。
しかし、長期的に見ると、スマホやパソコンを使った遠隔授業の普及、テレワークによる勤務の実施などによって、「3密」を避ける社会的習慣の普及などによって、東京に出る必然性が下がる可能性もあります。
東京都の人口の推移は、社会的な構造の変化を映す鏡なのです。
短期的な視点からも、長期間な視点からも、東京都の人口の推移に注目すべきでしょう。