8万人の行方不明者のうち2割は「認知症」が原因
昨年の行方不明者は「8万6千人」
警察庁が、2019年の行方不明者の状況を公開しています。
2019年の行方不明者は「86,933人」でした。
これは前年に比べて、1,029人減少しています。
過去10年を見ると、8万人台が続いており、横ばいの状態です。
行方不明者は若者と高齢者が多い
行方不明者が一番多い年代は「20代」と「10代」の若年層が多く、次に「70代」と「80歳以上」の高齢者層が続きます。
特に「80歳以上」の行方不明者は、微増が続いています。
行方不明者の2割は「認知症」が原因
高齢者層の行方不明の原因は「疾病関係」、特に「認知症」が中心です。
行方不明者全体で見ても、「認知症」が原因の人は2割を占めています。
しかも、過去8年に渡って、「認知症」が原因の行方不明者は増え続けています。
行方不明者の9割以上は見つかる
「認知症」が原因で行方不明になった人は、どれぐらいの割合で発見されているのでしょうか。
2019年の実績では、「96.7%」は所在が確認できました。
行方不明者のほとんどは、見つかると思って良いでしょう。
それ以外では、死亡が確認された人が「2.7%」、届け出が取り下げられた人が「0.6%」です。
1週間以内に見つかる人が9割以上
「認知症」が原因で行方不明になった人のうち、71.7%は警察に届け出が出された当日に見つかっています。
また、届け出から2~7日まで含めると、99.4%の人が見つかっています。
警察に届け出をすれば、かなり多くの人が当日中に、1週間以内にはほとんどの人が見つかっています。
万が一のときは、すぐ届け出を
「認知症」による行方不明者というと、身元が判明せず、見つかりにくいというイメージがあります。
しかし、実際には警察に届け出をすれば、当日中や、少なくとも1週間以内に見つかる人の方が多いのです。
探すことを諦めずに、早めに届け出を出して、人の手を借りましょう。
また、万が一に備えて、身元が分かるものを身に付けてもらうようにしましょう。
自治体によっては、GPSを利用して位置を確認できる端末をレンタルしているところもあるので、必要に応じて利用を検討してください。