日本医師会が「新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル」を公開
[2020/7/18 00:00]
日本医師会が用意した避難所マニュアル
公益社団法人 日本医師会が、「新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル」を公開しています。
以下、この記事では「避難所マニュアル」と表記します。
この「避難所マニュアル」は、日本医師会の救急災害医療対策委員会が、都道府県の医師会を対象に作成したものです。
しかし、地方自治体やNPOなどが、天災時に避難所を運営する場合にも指針となる内容です。
公開されたPDFファイルは、資料も含めて38ページです。
本文は、比較的大きめのフォントを使っているので、スマートフォンの画面でも、ある程度、内容が確認できます。
新型コロナウイルスに配慮した内容
「避難所マニュアル」では、避難所の開設から始まり、避難者の健康管理を含めた運営に及んでいます。
新型コロナウイルス関連では、次のような内容が述べられています。
- 自宅療養者や重症化リスク因子を有する避難者への対応
- 新型コロナウイルス感染が疑われる避難者の対応
- 避難者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合の対応
また、避難所の配置、スペースの確保、消毒などについても述べられています。
PDFファイルには、内閣府などによる通知や事務連絡も、資料として含まれているので、運営方針について迷った際に確認できます。
医師に限らず、避難する側にも有益
天災に備えて用意される避難所の運営は難しいものですが、新型コロナウイルスの流行によって、要求される条件が増えており、さらに難しさを増しています。
今回公開された「避難所マニュアル」は、日本医師会が用意したものだけに、医療関係の目配りも含めて充実した内容となっています。
実際に避難所を運営する人だけではなく、避難所を提供する学校や公共施設の関係者にも参考になるでしょう。
また、自分が避難する可能性がある人も、目を通しておくと、避難生活で注意すべき点について得るところがあるでしょう。
付録:待避所マニュアルの目次
避難所の開設
- A.可能な限り多くの避難所や避難場所を開設
- B.人数制限や分散避難(ホテルや旅館の利用)
- C.人材の確保
医療資機材の準備
- A.避難所が用意すべき物品
- B.避難者に用意を促すもの
- C.消毒液について(環境消毒含む)
避難者の健康状態の確認
- A.避難所入所時の健康状態の確認
- B.日々の健康状態の確認
自宅療養者や重症化リスク因子を有する避難者
- A.新型コロナウイルス感染症で自宅療養している避難者の対応
- B.在宅療養者や重症化リスク因子を有する避難者の対応
- C.介護・福祉機関の入居者の避難への対応
実際の避難所運営
- A.スペースの確保と換気の実施
- B.避難所の衛生環境の確保
- C.新型コロナウイルス感染が疑われる避難者の対応
- D.避難者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合の対応
添付資料
- 資料1:避難所等における症候群サーベイランス用紙(COVID-19 Ver.)
- 資料2:避難所における隔離予防策(COVID-19 Ver.)