新型コロナで亡くなった故人とのお別れでできること

[2020/7/31 00:00]

新型コロナウイルスで亡くなった場合の制約

新型コロナウイルスで亡くなった方の葬儀や火葬については、次のようなイメージを持っている方が多いでしょう。

  • 病院で亡くなった場合、遺体はすぐに納体袋に納められてしまい、顔も見られない
  • 葬儀に参列しても、お棺のフタや顔の部分の小窓が閉じられたままで、故人の顔を見ることができない
  • 遺族は、火葬後の拾骨もできず、骨壷に入った状態で会うことになる

これは、新型コロナウイルスで亡くなった芸能人と、その遺族についての報道から広まった印象です。

では、実際にはどれぐらいまで「お別れ」や「顔を見る」ことができるのでしょうか。

厚労省と経産省が共同でまとめたガイドラインに従って、遺族として知っておくべき情報を紹介します。

ガイドラインのPDFファイルは、こちらからダウンロードできます。

最後のお別れは病院の指示に従って

ガイドラインによれば、故人が臨終を迎える際に、遺族に対して、次のような説明が行なわれます。

  • 遺体からの感染を避けるためには、接触感染に注意する必要があること
  • 接触感染に対しては、手指衛生の徹底等、一般的な感染対策を行なうことで十分に感染のコントロールが可能であること
  • 思わぬリスクを避けるため、遺体等を取り扱う事業者の指示に従うこと
  • 24時間以内の火葬が可能であるが義務ではないこと

つまり、病室で、故人の遺体と最後のお別れをすることは不可能ではありません。

ただし、接触感染を避けるために、遺体に触れることは控えてください。

また、新型コロナウイルスに感染すると重症化の危険がある、高齢者、基礎疾患がある人、人工透析を受けている人などは、お別れをすることを避けた方が良いでしょう。

なお、病院の方針などの理由で、お別れができないこともあります。

遺族としては、お別れができないかとお願いしてみましょう。その上で、病院側の指示に従ってください。

故人の顔が見える納体袋が使える

新型コロナウイルスで亡くなった方の遺体は「納体袋」と呼ばれる袋に入れることが前提となっています。

そのため、故人の遺体を納体袋に入れることは避けられません。

ただし、納体袋については、次のように指示されています。


遺体は、感染管理の観点から非透過性納体袋に収容することを推奨します。非透過性とは、液体が浸透しないという意味であり、色については透明でも感染対策上の支障はありません。

つまり、故人の顔が見えるような透明の納体袋を使用してもかまわない、ということです。

また、納体袋が不透明な場合は、遺体の上半身を透明なビニール袋などで覆うことで、顔が見えるようにしてかまわないとしています。

このような工夫をすれば、透明な納体袋を使用したときと同じように、お棺の顔の部分にある小窓を開けて、故人の顔を見てお別れをすることができます。

出典:厚労省、経産省

葬儀を行なう場合は規模や参列者について検討を

葬儀について、ガイドラインでは、次のように述べています。


新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方の通夜、葬儀については、現下の社会状況から、執り行われる機会が少なくなっていますが、今後の社会状況の変化や遺族等の方の意向を踏まえ、執り行うことが可能かどうか検討してください。

まず、通夜や葬儀を行なうかどうかを、遺族で相談しましょう。

葬儀を行なう場合は、葬儀の形式や規模、リスクが高い人の参列の可否、感染症対策などについて、葬祭業者と相談してください。

原理的には拾骨はできるが、できない場合もある

新型コロナウイルスは、火葬の熱によって失効します。

そのため、遺族が火葬後のお骨を拾う「拾骨」は、原理的には可能です。

しかし、火葬場の構造や感染症対策の問題から、拾骨ができない場合もあります。

いずれの場合も、火葬に従事する関係者の指示に従ってください。

「最後のお別れをする」「故人の顔を見る」を目標に

新型コロナウイルスに限らず、亡くなった故人と、最後にお別れをしたいというのは遺族に共通する願いでしょう。

また、葬儀に参列した人も、せめてお棺の小窓を開けて、最後の顔を見たいでしょう。

今回、公開されたガイドラインは、そのような遺族の心情に配慮したものとなっています。

しかし、新型コロナウイルスで亡くなった方を扱うことは、すべての関係者にとって簡単なことではありません。

遺族の希望に従いたくても、それができないこともあるでしょう。

遺族としては、「最後のお別れをする」や「故人の顔を見る」など、どうしてもしたいことに絞ってお願いし、その上で、その段階で関わる専門家の指示に従ってください。

出典:厚労省、経産省
[シニアガイド編集部]