東京都の調査で分かった。新型コロナウイルスで死亡しやすい人の特徴
6月末までの死者を調査
東京都福祉保健局が、2020年6月末までに、新型コロナウイルス感染症で亡くなった人の統計を公開しています。
この記事ではグラフを中心に、新型コロナウイルスによって死亡しやすい人の特徴を紹介します。
死亡率は「5.2%」
2020年6月末の時点で、新型コロナウイルス感染症の陽性患者は「6,225人」でした。
そして、この期間に、新型コロナで死亡した人は「325人」でした。
死亡率は「5.2%」ですから、20人に1人が死亡していることになります。
「高齢者」は死にやすい
新型コロナで死亡した人の、1つめの特徴は「高齢」です。
陽性患者のうち、「70代以上」の人は17.8%しかいません。
しかし、死者のうち「70代以上」は83.1%に達します。
それだけ「70代以上」の高齢者は、新型コロナウイルスによる死亡率が高いのです。
80代の死亡率は30%を超える
もう少しくわしく、死者の年齢分布を見てみましょう。
死亡者を年齢別に見ると、「80代」が一番多く、「70代」と「90代」が続きます。
さらに、陽性患者に対する死亡率で見ると、80代から30%を超えます。
陽性患者全体の死亡率が5.2%ですから、その6倍も死亡率が高いのです。
具体的な数字で見ると、80代の陽性患者は374人いますが、そのうち113人が死亡しています。
なお、「100歳以上」は陽性患者自体が4人と少なく、そのうち3人が死亡しているため、極端に死亡率が高くなっています。あくまでも参考に留めてください。
このように、高齢者は死亡率が高いため、新型コロナウイルスによる死者の平均年齢は「79.3歳」と高くなっています。
「男性」は死にやすい
新型コロナで死亡した人の、2つめの特徴は「男性」が多いことです。
325人の死亡者のうち、男性が「199人」、女性が「126人」でした。
男性が6割以上を占めています。
また、死亡率で見ても、男性は「5.5%」、女性は「4.8%」で、男性の方が高くなっています。
死亡者の平均年齢でも、男性は「77.1歳」、女性は「82.9歳」と、5歳以上差があります。
「基礎疾患」があると死にやすい
新型コロナで死亡した人の、3つめの特徴は「基礎疾患」を持っている人が多いことです。
糖尿病、高血圧、腎臓疾患などの「基礎疾患」を持っていると、免疫などの抵抗力が下がり、感染した場合に症状が重くなりやすいとされています。
新型コロナウイルスも例外ではありません。
325人に死者のうち、基礎疾患を持っていることが確認されている人は「194人」もいました。
死者のうち、6割は基礎疾患を持っていたことになります。
しかも、基礎疾患を持っているかどうか「不明」という人も多いので、実際にはもっと多くの人が基礎疾患を持っていた可能性があります。
「病院」や「施設」で感染しやすい
新型コロナで死亡した人の、4つめの特徴は、「病院」や「施設」で感染した人が多いことです。
推定される感染経路のうち、半分以上は「病院内/施設内」なのです。
特に、高齢者が集団生活を送っている、老人ホームなどの福祉施設で感染が発生すると、死者が多く出てしまいます。
そのため、多くの病院や福祉施設では、感染予防対策を徹底しています。
家族からの感染を恐れて、面会を停止している施設も少なくありません。
病院でも、手術時の立ち会いや、重要事項の説明など、どうしても必要な場合を除き、家族の面会を停止しています。
もちろん、家族以外の知人や友人などの面会は許可されていません。
それでも、院内での感染が発生し、陽性者や死者が出てしまうことはあるのです。
リスクが低いからといって予防を怠ってはいけない
新型コロナウイルスによる死者の統計を見ることで、新型コロナウイルスで死亡しやすい人の特徴が分かりました。
つぎの4つの特徴を持つ人は、新型コロナウイルスによって死亡するリスクが高い人です。
- 高齢者
- 男性
- 基礎疾患を持っている
- 病院や施設に入っていて、院内感染のおそれがある
このように特徴を並べると、「もう寿命に近い人だけが死ぬのだから新型コロナウイルスは怖くない」と勘違いしてしまいがちです。
しかし、可能性が低いからと言って、ゼロであるわけではありません。
今回の調査でも、「20代」と「30代」にも死者が出ています。
また、あなたは軽症で済むかもしれませんが、家族を始めとする他の人に新型コロナウイルスを広めてしまう可能性があります。
ですから、年齢や性別、基礎疾患の有無にとらわれず、新型コロナウイルスに感染しないように対策をする必要があるのです。
一方、あなたの家族に、新型コロナウイルスで重症化しやすい人がいたら、その人にうつさないように対策を行ないましょう。
自分の健康を守ることや、その人に会うのを我慢することが、その人に対する愛情の表われなのです。