7割以上の中小企業が、新型コロナの悪影響を受けている
2千社に聞いた新型コロナの影響
独立行政法人 中小機構が、新型コロナウイルス感染症の中小企業に対する影響調査の結果を公開しています。
2020年7月に行なわれたインターネット調査には、全国の中小企業2,000社が回答しています。
7割以上の企業に悪影響
1年前と比べて、「新型コロナによるマイナスの影響がある」という企業は「75.9%」でした。
さらに、「売り上げが20%以上減少して、大幅なマイナスの影響がある」とした企業が「41.3%」もありました。
つまり、全国の中小企業のうち、7割以上が「悪影響」を感じており、4割以上は「売り上げが20%以上も減少」しているのです。
新型コロナウイルスによる、中小企業への影響の大きさが分かります。
業種別では、「サービス業(宿泊・飲食)」への影響が大きく、「大幅なマイナスの影響がある」企業が75%を占めています。
一番多い対策は「備品の配布・設置」
新型コロナウイルスの従業員に対する対策を聞いています。
一番多いのは「備品の配布・設置」でした。
従業員にマスクを配布したり、出入り口に除菌スプレーを設置することを指します。
次に多いのが「人的距離・ソーシャルディスタンス確保」でした。
従業員同士の座席の距離を広げるなどの対策です。
しかし、3番目には「対策なし、今後の対策が分からない」が入っています。
感染予防対策を積極的に導入する会社がある一方で、何も対策も取らずにいる会社が3割近くもあるのです。
中小企業の感染予防対策は、会社の考え方によって大きく左右されることが分かります。
一番利用されている支援制度は「持続化給付金」
新型コロナウイルスによる業績悪化に対抗するために、中小企業向けの支援制度が、いくつも用意されています。
その中で、一番多く利用されているのは「持続化給付金」でした。
「持続化給付金」は、昨年と比べて売り上げが減った金額が、最大200万円まで給付される制度です。
給付ですから返済の必要はありませんし、手続きもオンラインだけですみます。
しかし、それでも利用率は「45.4%」と、半分にも届きません。
次に多いのが「利用している制度が特にない、利用している制度の名称が分からない」でした。
つまり、いくら制度が用意されていても、それに対して情報を収集して、制度を利用する意欲がある会社は少ないのです。
支援制度の利用についても、感染予防策と同じように、会社による差が大きいのです。
自分がいる会社が、新型コロナウイルスに対する予防や、業績悪化に対する支援策に積極的かどうか、一度チェックしてみることをおすすめします。
それをチェックすることで、その会社の将来性も、ある程度見通すことができるでしょう。